◇セ・リーグ 阪神4ー3中日(2024年7月28日 甲子園)
粘りの投球で先発の役目を果たし、試合をつくった。阪神・西勇は6回を4安打1失点。4回2死から4者連続三振を奪うなど、今季最多タイの7奪三振と、安定感のある投球で貫禄を見せつけた。
「バランスもそこまで悪くなかった」
一発を浴びても、決して崩れなかった。0―0の2回、先頭の細川に甘く入った高めスライダーを左翼スタンドへ運ばれ先制点を献上。それでも、3回以降はしっかり修正した。試合途中に岡田監督から“高めのボールもうまく使って”と助言をもらったのが奏功。「配球の幅というか、そういう話をしてくれた。そういうふうにうまくできたので良かった」とうなずいた。
頑張れる理由がある。母校・菰野高が27日に三重大会準決勝に勝利して決勝に進出。きょう29日の決勝で勝てば、自身が高3年時にエースとして出場した08年以来16年ぶりとなる。「頑張ってほしいですね。3年間みんな頑張ってきて、いろんな思いがあると思う。冷静にやってほしい」。前回21日の広島戦(甲子園)では6回2失点で4勝目をつかんでおり、「僕も頑張ります」と快投を宣言。その言葉通り、後輩たちにエールが届けとばかりに懸命に腕を振り、5回の打席では自ら左前打も放った。
「チームが勝ったことが何より」
5勝目はお預けとなったが、今季の投球回を93回1/3として規定投球回(93)に到達。16年目右腕は、自身の好投で、チームも母校の後輩も引っ張っていく。(杉原 瑠夏)