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神セーブ連発のサッカー小久保 恩師が感じた成長の証「あのブライアンが涙流して…」

スポニチアネックス 2024年7月29日 11時31分

 ◇パリ五輪第2日 サッカー男子1次リーグ 日本1-0マリ(2024年7月27日 ボルドー競技場 )

 男子1次リーグD組の日本は27日、第2戦でマリを1―0で下し2連勝。同組2位以上を確定させて8強による決勝トーナメント進出を決めた。GK小久保玲央ブライアン(23=シントトロイデン)が神セーブを連発して2試合連続完封。MF山本理仁(22=同)が後半37分に2戦連発となる決勝点を決めた。日本がオーバーエージ(OA)枠不在で1次リーグ突破をするのは初めて。首位通過を目指し、最終第3戦イスラエル戦(30日、ナント)に臨む。

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 小久保の活躍を誰よりも喜ぶ恩師がいる。日体大柏高2~3年時の担任教師だった野沢亨さんだ。5月の五輪最終予選決勝ウズベキスタン戦でPKを神セーブ。チーム愛で涙腺が崩壊した姿に、教え子の成長を実感したという。「あのシーンは教員たちも見ていた。朝、学校に来たら周りの先生が“野沢先生、あのブライアンが涙流して喜んでましたね。成長しましたね”と言ってくれるぐらい」。国歌斉唱を堂々と歌う姿にも胸を打たれた。

 高校時代はクラスの人気者だった一方、やんちゃな一面がある生徒だった。野沢さんは「落ち着きがなくて、1年生の時にはけっこう遅刻があった。ルールを守らないことや(教室では)子供らしく空気が読めない発言もあった」と明かす。

 高校時代から素質は抜群だったが、柏ユースで指導した山中真氏(現J1町田コーチ)が素行チェックのため何度か学校へ足を運ぶこともあった。そんな小久保を野沢さんは時に厳しく、時に優しく指導。技術を向上させるためにも「人間力の成長」が重要と力説。「国を代表して試合に出場する意味を分かってほしい」と国歌斉唱の大切さも伝えた。

 「時期が進むにつれてどんどん成長した。人間性の成長スピードが速くて、ある意味、あんな子なかなかいないんじゃないか」。高3時には注意することがなくなったという。

 五輪最終予選後には、小久保から「先生には本当にお世話になったので、ずっと渡したかったんです」と直筆サイン入りのユニホームをサプライズでプレゼントされた。「やっぱり成長したんだなと思う」と教え子の成長を笑顔で見守っている。 (滝本 雄大)

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