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日本金1号!柔道・角田夏実と父の独創的過ぎる練習 ランディ・ジョンソンの等身大パネルに…

スポニチアネックス 2024年7月29日 11時31分

 ◇パリ五輪第2日 柔道女子48キロ級(2024年7月27日 シャンドマルス・アリーナ)

 27日の女子48キロ級で角田夏実(31=SBC湘南美容クリニック)が金メダルを獲得した。日本の夏季五輪通算500個目の区切りのメダルは、04年アテネ五輪の谷亮子以来5大会ぶりとなる同級の金メダル。31歳356日は日本柔道女子最年長の頂点で、まさに記録ずくめの日本選手団今大会メダル第1号だった。

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 「腕っ節は強いけど精神的に弱く、自信を持たせた方がいいと思い習わせました」。角田が柔道を始めるきっかけをつくったのは、専門学校時代まで現役だった父・佳之さんだった。「普通の女の子。キラキラした物が好きで、私の妹の部屋に行ってはアクセサリーや洋服を触って、閉め出されていましたね」と懐かしむ母・五都子(いつこ)さんと共に、会場で観戦。娘と同様、落ち着いた表情で金メダルの喜びをかみ締めた。

 娘の指導で再び柔道熱が入り、現在は八千代市協会の会長を務める佳之さんは、長続きするように工夫を凝らした。当時営んでいた接骨院にあったランディ・ジョンソンの等身大パネルに、内股を掛ける際のふくらはぎで丸めた柔道着を蹴飛ばして当てる、通称「ランディ君」と呼ばれる練習もその一つ。自宅の和室では寝技の練習も行い「いつの間にか、2人ともヒートアップするので、止めるのが役割でした」と五都子さんも懐かしむ。

 初出場だった17年世界選手権前には、右足甲を剥離骨折した角田のために、佳之さんが特殊ギプスを作製。現在でも治療やテーピングを行う。「夏に生まれたので、夏に実ると思いを込めて」名付けられた角田。その名の通りの活躍に、両親も万感の思いに浸った。

 ▽角田の記録的金メダル

 ☆通算500個 夏季五輪で日本勢が積み上げていたメダルは開幕前まで499個。角田の金が通算500個目となった。

 ☆メダル1号 男子60キロ級の永山も銅メダルを獲得したものの、先に試合を終えた角田が今大会のメダル1号。21年東京五輪でも同級の渡名喜風南の銀が第1号だった。

 ☆最年長金メダル これまでの日本柔道女子は21年東京五輪78キロ級の浜田尚里の30歳307日が最年長。角田は31歳356日に記録を更新した。

 ◇角田 夏実(つのだ・なつみ)1992年(平4)8月6日生まれ、千葉県出身の31歳。小2で柔道を始め、千葉・八千代高、東京学芸大を経てSBC湘南美容クリニック所属。世界選手権は52キロ級で17年2位。19年に48キロ級転向後は21年から23年まで全試合一本勝ちで3連覇。全日本選抜体重別選手権は52キロ級で18、19年を制し、48キロ級で21年優勝。得意は巴投げ、関節技。趣味はサイクリング。1メートル61。

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