◇パリ五輪第3日 サッカー女子 日本2―1ブラジル(2024年7月28日 フランス競技場)
パリ五輪サッカー女子は28日、1次リーグ第2戦が各地で行われ、C組の世界ランク7位・日本「なでしこジャパン」が同9位ブラジルと対戦。1点リードを許した後半アディッショナルタイムにDF熊谷紗希(33=ローマ)がPKから同点ゴール。さらにMF谷川萌々子(19=ローセンゴード)が圧巻のミドルシュートでゴールネットを揺らし、土壇場で2―1と劇的な逆転勝ち。決勝トーナメント進出へ向け価値ある勝ち点3を獲得した。
日本は黒星発進となった初戦のスペイン戦で負傷交代したDF清水梨紗がチームを離脱。不動の右サイドバックを欠く緊急事態に加え、フランス国鉄で高速列車TGVの路線網に大規模な破壊行為があった影響により急きょ、長時間のバス移動をすることになるアクシデントにも襲われた。
このブラジル戦では前節からスタメン3人を変更。清水の他にMF藤野あおば、MF清家貴子が外れFW浜野まいか、DF高橋はな、DF守屋都弥が先発起用された。なお、スペイン戦で鮮やかなFK弾を決めた藤野はベンチメンバーからも外れた。
試合は前半19分、GK山下杏也加のロングキックを収めたMF宮沢ひなたが右サイドを突破。そのまま攻め上がりゴール前へグラウンダーのクロスを入れると、FW田中美南がシュートを放つもボールは枠の左へと外れゴールならず。前半アディッショナルタイムにはPKを獲得するもキッカー・田中のシュートが相手GKに防がれてしまい、0―0のまま後半へ折り返した。
すると後半11分に失点。五輪6大会連続出場FWマルタのスルーパスからピンチを招くと、最後は後半頭から投入されたFWジェニファルに決められリードを許した。
日本は同19、23分と立て続けに田中にチャンス到来。しかし、鮮やかな反転ボレーが相手GKに防がれるなどことごとく決定機を外し不発。
それでも後半アディッショナルタイムに再びPKを獲得。今度は主将のDF熊谷紗希が確実に決め同点。熊谷は96年アトランタ大会の木岡二葉(30歳)を抜き、「33歳285日」という日本女子の五輪最年長ゴールを記録した。
さらに19歳の谷川が圧巻のミドルシュートでゴールネットを揺らし、土壇場で2―1と劇的な逆転勝ち。谷川も今大会スペイン戦で藤野あおばが記録した「20歳180日」という日本女子の五輪最年少ゴールを「19歳82日」に塗り替え勝利に貢献。後半アディッショナルタイムからの最年長弾と最年少弾によって大きな勝ち点3を獲得した。
▼池田太監督 前半はチャンスがあったが、ハーフタイムに切り替えて逆転できて素晴らしい選手たちだと思う。(谷川の活躍)彼女だけでなく交代選手が役割をやってくれた。中2日で次になるのでナイジェリア戦に向けて準備したい。