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【高校野球】「春の屈辱」乗り越えて 岡山学芸館エース沖田が投打に躍動

スポニチアネックス 2024年7月29日 15時11分

 ◇第106回全国高校野球選手権岡山大会 決勝 岡山学芸館4―3関西(2024年7月29日 倉敷マスカットスタジアム)

 春のリベンジは見事に果たされた。岡山学芸館は春季県大会2回戦で、2―4で敗れた関西を決勝で撃破。5年ぶり3度目の夏切符を手に入れた。ヒーローはエース右腕の沖田幸大(3年)だ。

 「いつもよりノビるボールが投げられていた。今日はあまり打たれる気がしなかった。うれしいです」

 初回に先制されたが、0―1の2回2死一、二塁で打席が回ってくると、外寄りの直球を教科書通りに右中間へ。走者一掃の2点適時二塁打を放った。

 4―1の6回には3連打で2点を返されたものの、自身の逆転打からは一度もリードを許さず、8回3失点の粘投。8回は簡単に2死を奪った後、この日2安打を放っていた関西の「1番・遊撃」渡邊諒斗(3年)との対戦を前に佐藤貴博監督(41)から交代を打診されるも「いかせてください」と続投を志願した。カットボールで遊ゴロに打ち取って三者凡退とし、背番号11の丹羽知則(3年)に最後のマウンドを託した。

 丹羽が先発し、沖田が救援してともに2失点し敗れた春の関西戦後、2人は佐藤監督に呼び出され「マウンドを任されている自覚と責任感が足りない」と注意を受けた。「それまでは自分のことだけしか考えていなかった」と思い当たる節はあっただけに、余計に指揮官の言葉が刺さった。以降、マウンドでは合間で常に「チームで、チームで」とつぶやきながら投球。「先制されてしまったけど、チームのために絶対取り返してやるという気持ちが、タイムリーとピッチングにつながったと思う」と胸を張った。

 低反発バット導入のきっかけになったともされる、前回出場時の19年夏の甲子園で顔面に打球を受け左頬を骨折した淳平さんを兄に持つ丹羽も「春の大会では表情が暗かったと思う。明るく投げるというのが自分のメンタルとチームにプラスになる」と一皮むけて挑んだ夏の決勝で9回を三者凡退。歓喜の瞬間をマウンド上で迎えた。前回出場時を超える甲子園2勝が当面の目標。ノーシードから勝ち上がった底力を聖地でも存分に見せつける。

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