◇パリ五輪第4日 柔道(2024年7月29日 シャンドマルス・アリーナ)
女子57キロ級の舟久保遥香(25、三井住友海上)が29日、2回戦で東京五輪48キロ級で銅メダルを獲得したダリア・ビロディド(23=ウクライナ)と対戦。7分間の消耗戦の末に難敵を下し準々決勝進出を決めた。
相手は東京五輪から2階級上げてきた「9頭身モデル柔道家」として日本でも知られるビロディド。実力者同士の対戦となったが、「寝技のスペシャリスト」舟久保が自身の柔道を貫き強敵を撃破した。
序盤はビロディドの寝技警戒からの積極姿勢になかなか自分の形に持っていけない時間が続いた舟久保だったが、徐々にスタミナを削り取りビロディドが失速。ゴールデンスコア突入から3分、試合時間7分の消耗戦を相手の指導3つの反則負けで制した。
22、23年世界柔道2位の舟久保。初五輪の初戦は、序盤から隙あらば寝技を狙い、相手に攻める隙を与えず。4分間で相手に指導2つが出てゴールデンスコアに突入。開始10秒すぎに大外刈りで技ありを奪い初戦突破を決めた。
舟久保は、中学時代に研究を重ねたり富士学苑の矢崎雄大監督の助言を受け、変形の腹包み(からの抑え込み技)を考案。ジュニアの国際大会などで使ううちに、世界でも「Funakubo Gatame」として認知されるようになった。21年東京五輪の女子52キロ級決勝で、阿部詩がブシャール(フランス)を破ったのが舟久保固めだった。
◇舟久保遥香(ふなくぼ・はるか)1998年(平10)10月10日生まれ、山梨県出身の25歳。山梨・富士学苑高を経て17年4月から三井住友海上所属。6歳で地元の大明見スポーツ少年団で柔道を開始。高校時代は2、3年でインターハイを制し、世界ジュニア選手権は15、17、18年と3度制覇の快挙。シニアの国際大会でも21年以降に結果を出し、世界選手権は22、23年と連続2位。