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フェンシング金の加納虹輝 劣勢に見えたが実は…三宅諒氏が解説「来てみなって感じだった」

スポニチアネックス 2024年7月29日 20時49分

 12年ロンドン五輪のフェンシング男子フルーレ団体で銀メダルを獲得した三宅諒氏(33)が29日、TBS系「Nスタ」(月~金曜後3・49)に生出演し、パリ五輪の男子エペ個人で金メダルを獲得した加納虹輝(26=JAL)の快挙を振り返った。

 決勝は地元フランスのヤニク・ボレルと対戦。超がつく完全アウェーの中、武器のスピードと巧みな剣さばきで、試合を優位に進めた。第1ピリオドからリードを奪い、15―9で押し切った。個人での金メダルは日本フェンシング界初。歴史に名を刻んだ。

 身長1メートル73の加納に対し、ボレルは1メートル95。当然ながらリーチも加納が圧倒的不利だった。三宅氏は「リーチの長さというのが、エペという種目はかなり重要になってきます。理由としては、先に突いた方が勝ちということで、腕が長ければ、相手に突きやすくなる。加納選手は、身長の低さを克服するところからスタートする戦いになる」と、加納がいかに体格の不利を持って戦っていたかを説明した。

 一方で、加納の持ち味はスピードだという。「加納選手の一番、特筆するところは、“二の矢”の速さ。1度目に失敗しても次という」と説明。「バスケットで言うと、ゴールが外れてリバウンドをキャッチして入れるという感じですけど、加納選手の場合はずっとゴール付近でこうやって(リバウンドを取って)入れているような感じ。ずるいだろ!っていうくらい速いです。スピードが速いです。いつ突いたか分からないくらい場面もあった」と舌を巻いた。

 試合では、加納がボレルにやり込められているように後ずさりする場面も目立ったが、それは加納の戦略だったという。三宅氏は「いかに攻めてもらうのがカギになる」とし、「加納選手は、直接攻撃をしてしまうと身長差で守られてしまう。なので、相手に攻めてもらって、つまり下がらせない」という戦術を選んだという。

 「攻めようと思っている人は下がらないので、そこで急きょ、“攻めよう、攻めよう”という気持ちの加納選手が突然、飛び出してくる。そこに反撃のスキだったり、迎撃するタイミングを生み出したというのが今回の勝因となります。実は加納選手がボレル選手に“来てみな”って感じだったんです。戦術だった」。攻めに徹する相手に、カウンターのように意表を突く攻撃を次々と繰り出した勝利だったと解説した。

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