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女子57キロ級・舟久保遥香が涙、涙の銅メダル!9分超激闘制し日本柔道通算100個目のメモリアルメダル

スポニチアネックス 2024年7月30日 1時3分

 ◇パリ五輪第4日 柔道(2024年7月29日 シャンドマルス・アリーナ)

 女子57キロ級の舟久保遥香(25、三井住友海上)が29日、3位決定戦でリオ五輪金メダルのラファエラ・シウバ(32=ブラジル)を9分を超える激闘の末に破り銅メダルを獲得した。25歳でつかんだ初五輪。準々決勝での悔しさをバネにつかんだメダルは、日本柔道通算100個目のメモリアルとなった。

 準々決勝での開始9秒一本負け。舟久保は敗戦直後、正座したまま呆然とした表情を見せ動けなかった。そこから何とか気持ちを切り替えて臨んだ敗者復活戦は得意の寝技で一本勝ち。3位決定戦でも自分の信じる柔道を貫いた。リオ五輪女王相手に積極的に技を仕掛け続けた舟久保。延長戦に突入後も、相手に先に指導2つ目が与えられ優勢に試合を進めた。途中に右膝を痛めたしぐさを見せたが気迫の柔道を見せ続け、開始9分すぎに相手の投げが「ヘッドダイビング」の判定。シウバの反則負けで銅メダルをつかみ取った。深々と畳に一礼した後、涙があふれた。目を真っ赤にした舟久保は「金メダルを目指していたので、全然手も足も出なかったので、本当に悔しいなと思います。(銅メダル獲得は)ここまでたくさんの人に応援してもらったので、何としてもメダルを持って帰りたいなと思っていたので、とりあえず良かったかなと思います」と声を震わせながら語った。

 柔道選手として決して若いとは言えない25歳で初の五輪。しかし、その名は自分自身よりも先に“世界デビュー”を果たした。

 山梨・富士学苑中時代に元強化選手で世界選手権に出場経験もある矢崎雄大監督と作り上げた変形の腹包み「舟久保固め」がそれだ。中学生ながら研究を重ねて独自のメソッドを生み出し、やがて「Funakubo Gatame」と認知されるようになった。東京五輪では52キロ級の阿部詩が、決勝の決まり技として使用。生みの親は一足遅かったが、世界一を争うステージに上がった。

 所属の上野雅恵監督は、「凄い練習をする。練習後も練習をする。それなのに何で、試合では動きが硬いの?何で、その技を出さないの?と本人に言ったことがある」と語る。真面目な性格ゆえに遊びがなく、試合になれば勝利に固執してしまう。舟久保自身も自認する欠点だが、五輪2連覇を果たしている監督の言葉に耳を傾けた頃から、成績は上り調子に。人の2倍、3倍の努力を、結果に結びつけられるようになった。

 寝技のスペシャリストとして、22、23年の世界柔道で銀メダル。開会式前には「悔いのないよう全て出し切り、金メダルを獲得します」と世界一を誓っていた。パリ五輪での金メダルの夢はかなわなかったが、まだ25歳。4年後、リベンジの舞台であるロサンゼルスの舞台に戻って来る。

 ◇舟久保遥香(ふなくぼ・はるか)1998年(平10)10月10日生まれ、山梨県出身の25歳。山梨・富士学苑高を経て17年4月から三井住友海上所属。6歳で地元の大明見スポーツ少年団で柔道を開始。高校時代は2、3年でインターハイを制し、世界ジュニア選手権は15、17、18年と3度制覇の快挙。シニアの国際大会でも21年以降に結果を出し、世界選手権は22、23年と連続2位。

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