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平野莉玖、異例の経歴 実は元職人! 音楽・アパレル・俳優…兄をしのぐ「三刀流」語る熱意

スポニチアネックス 2024年7月30日 9時45分

 ◇インタビュー

 TBSドラマストリーム「さっちゃん、僕は。」(火曜深夜11・56)でドラマデビューし、その自然な演技で話題を集めている平野莉玖(25)。俳優デビューして間もないながら、来春公開の映画「SENTIENT GAME」では銀幕初出演にして主演に抜てきされるなど、異彩を放っている。見るものを惹きつける平野の「魅力の源」は、どこにあるのか。スポニチアネックスの取材に応じ、柔らかな笑顔に秘めている熱い思いを打ち明けた。(中村 綾佳)

 アパレル会社社長にアーティスト活動、そして俳優業と、活動は兄・平野紫耀以上に多岐にわたる莉玖。俳優としては「さっちゃん、僕は。」がドラマ初出演で、アドリブにも挑戦。「演技が自然」と大きな話題を集めている。

 ドラマ出演以前には舞台を経験し「自分以外の人格を演じる」ことの楽しさを知った。「もっといろんな人を演じてみたい。いろんな人の目線に立って物事を見てみたい」と魅了され、俳優業を本格化。そして、今作とめぐり逢った。

 俳優としては“異色の人生”を歩んできた。学校を卒業後に、一度就職を経験している。「その職業は?」。記者の問いかけに、平野は「造園業です」と答える。「カッコ良いな、と思っていたんです。職人として仕事を始めて、親方について、草を刈ったり木を切ったり。個人の家の手入れなども担当していました。3年くらいやっていました」とはにかんだ。

 職人としての3年間を「達成感が凄くあった。やりがいを感じていました」と振り返る。「職人というのは上下関係が厳しくて、礼儀を重んじる世界で。人として凄く鍛えられたというか…とても学びの多い時間でした」と語る口ぶりに、元職人の気概が垣間見える。

 当時の親方は、平野が俳優デビューしたという情報を知っているといい「今後は、職人のような役もやってみたいですね」と笑顔。この貴重な経験を、いつか演技に投影するつもりだ。

 平野はその後、服好きが高じてアパレルブランドを立ち上げた。だが当時は、ノウハウも何もない21歳。「何から始めればいいのかさっぱり分からなくて。スマホで“会社 立ち上げ方”とか“服、作り方”を調べて(笑い)。そこから始まりました。近所の洋服を製造している工場に行って、“どうやってやればいいんですか?”と聞いて。“これからブランドを立ち上げようと思ってるんですけど、どうすればいいですか?教えてください!”と…」と、まさかの経緯を明かす。「今思えば、めちゃめちゃ失礼ですね」と笑ったが、この行動力が今の平野の礎となっている。

 ブランド立ち上げがひと段落し、過去にやっていた音楽活動を再開させた。きっかけは、レゲエグループ「BANTY FOOT」の「交差点 feat. EXPRESS」という楽曲との出合い。数多くのプロ野球選手が入場テーマ曲に採用しているメッセージ性の強い曲で、「その時の自分に凄く刺さって、背中を押されたような気持ちでした。僕も、誰かの背中を押すことができたら」。「ファッションと音楽」の親和性もあり、アパレル会社代表とアーティストの“二刀流”で知名度を高めていった。

 現在は俳優業を含め“三刀流”。それぞれ磨きをかける日々だ。アパレルを通じて「自由」を、音楽を通じて「感動」を、演技を通じて「勇気」を表現したいと意欲を語る。「僕の洋服は、自由。性別やジャンルを問わず、自由に自分の好きなようにいてほしい。音楽では、1人でも多くの人の心に届いたらうれしい。そして俳優としては、本当にまだまだですが、いろんな役を通していろんな人の目線に立って考えることができれば」と未来予想図を描く。

 共通しているのは、平野は「人」が大好きということ。「人と関わることが大好きなので、僕の姿がもし誰かの励みになったら、それが何よりうれしいです」。異色の人生を歩んで出会った人々の思いが、今の表現者・平野をつくっている。

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