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広島は首位巨人と2ゲーム差に接近 玉村が自己最多133球、無四球で初完投勝利 

スポニチアネックス 2024年7月31日 5時45分

 ◇セ・リーグ 広島6―3DeNA(2024年7月30日 マツダ)

 広島・玉村昇悟投手(23)が30日のDeNA戦で高卒5年目での初完投勝利を無四球で飾った。初完封目前の9回2死から3ランを被弾しても、自己最多133球を投げきって45日ぶりの2勝目。本拠地6連戦の初戦に抜てきされた期待に応えた。2連敗で止めて貯金6。首位・巨人には2ゲーム差へ再び接近した。

 玉村は5年目で初めて9回まで投げ抜いた。2軍でも経験のなかった完投。勝利の瞬間、笑顔はなくても、自信を深めた自己最多133球の熱投だった。

 「(9回は)“よしっ、やってやろう”と思っていた。完封したかった。初完投だったので、次は完封を目指してステップアップできたらいい」

 序盤から安定感抜群だった。最速145キロの直球を軸にスライダーなど変化球を織り交ぜ、チーム打率リーグトップを誇るDeNAを手玉に取った。前半戦で被打率3割を超えた課題の左打者には序盤に内角シュートで攻め、梶原を3打席連続三振。4回2死まで完全投球を演じ、中盤以降は90キロ台のカーブも有効に使った。

 「勇気を持って脱力ができるようになった。どうしても序盤は力が体にたまっているので力を出したくはなる。それを抑えて、いい力感で投げよう、と」

 過去最長は21年10月7日の中日戦での7回0/3。未知の領域に入っても崩れず、8回114球を投げても打席へ。新井監督は「セーブシチュエーションになるまで、行かせると決めていた」と送り出した。

 9回2死一、二塁。牧を3球目に一塁ベンチ前へのファウルフライに押し込みながら、田中が捕りきれず(記録は失策)、ボールを挟んだ5球目の直球を左翼席に運ばれた。完封を逃しても自責0。遠征の合間を縫って球場に来ていた母校・丹生高の恩師・春木竜一監督に勇姿を届けた。

 「高校の監督に(ウイニングボールを)あげようと思う。ちょうど見に来てもらっていたので、良かった」

 球宴休みをにらんで18日に登録を外れてからの期間では、筋力強化ととともに肩周りの関節のゆがみなどを矯正した。夏場に体重が減りやすい体質を踏まえ、「(毎食)肉、魚を食べ、タンパク質を多く摂るようにしている」と体重86キロの維持にも気を配る。5月下旬から定着した先発陣の一角を最後まで守り抜くためだ。

 今季初めて3連戦の初戦を任され、連敗を2で止める大きな白星。新井監督も「力みもなくバランス良く投げられていた。完投できたのは自信になったと思う」と目を細めた。 (長谷川 凡記)

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