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【バスケ男子】篠山竜青 問題は“4点プレー”の前のプレー「2点、3点は与えてよかった」

スポニチアネックス 2024年7月31日 17時17分

 ◇パリ五輪第5日 バスケットボール男子1次リーグB組  日本90ー94フランス(2024年7月30日 ピエール・モロワ競技場)

 【篠山竜青の目】パリ五輪のバスケットボール男子1次リーグで日本は東京五輪銀メダルの地元フランスに延長の末、90―94で競り負けて2敗目を喫した。Bリーグ1部川崎に所属する19年W杯日本代表主将の篠山竜青が惜しくも歴史的な勝利を逃した一戦を振り返った。

 日本が勝てなかったことは悔しいし、残念だが、世界との距離がまた縮まったことを証明した試合だった。

 最後まで競り合えた要因は2つある。1つは八村選手と河村選手を止められる選手がフランスにいなかったこと。日本は2人を起点に攻撃ができた。もう1つは背の高いウェンバンヤマとゴベールが走り合いについてこれなかったこと。日本の素早い切り替えの攻撃が機能した。日本がやりたいバスケットができた。

 日本のインサイド陣の頑張りも光った。ゴベールもウェンバンヤマも大きいが、パワーでゴリゴリ押し込むタイプではない。日本の守備陣が下から体を当ててくることを凄く嫌がっていた。それがジャブのように効いた。終盤でゴベールが思い切り跳んでシュートできなかったところ、渡辺飛雄選手はブロックした。八村選手の退場後、ゴール下で粘り強くプレーをした渡辺飛雄選手は自信をつかんだと思う。ドイツ戦に続いて吉井選手の体を張ったプレーもよかった。Bリーグ勢もよく頑張った。

 “4点プレー”となった第4Q最後の河村選手のファウルは、実際さわったかどうかはわからない。ただ左手の位置が相手の脇辺りにあり、疑わしさを与えてしまった。

 問題はその前のプレーだ。ゴール下のゴベールにボールが入った時に日本の守備が収縮してしまったのは判断ミスだった。その後外へ出たパスを受けた相手の3点シュートに対してチェックにいく必要もなかった。4点リードしていたので、2点や3点は与えてもよかった。その後ファウルゲームで対応できた。タイムアウト時にファウルをしないことを共有していたはずだが、あの大舞台の終盤で冷静でいることの難しさを感じた。

 退場となった八村選手のファウルも必要なかった。勝ち切るにはミスを少なくして自分たちのプレーの遂行力を高めないといけない。次のブラジル戦に向けては少しずつ選手に疲労がたまってることが気がかりではある。ホーバス監督は守備を重視し、守りの強度を保てる選手を中心を起用してきているが、次戦はここまで出番が少ない選手も交代で入る可能性はある。Bリーグなどで主力として25~30分プレーする選手が、体が冷えた状態から2~3分だけコートに入ってチームに貢献するのは大変だが、対応力やメンタルの強さも問われる。総力戦で臨みたい。(B1川崎、19年W杯日本代表主将)

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