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広島・床田がリーグ最速で10勝到達 阿南準郎さんへささげる弔い星

スポニチアネックス 2024年8月1日 5時41分

 ◇セ・リーグ 広島2―1DeNA(2024年7月31日 マツダ)

 広島・床田寛樹投手(29)が31日、DeNA戦(マツダ)に先発し、7回8安打1失点でリーグ最速の10勝目を挙げた。自身初の2年連続2桁勝利だ。この日、球団は元監督の阿南準郎さんが30日に死去したことを発表。球場には半旗が掲げられ、チームは喪章をつけて臨んだ特別な一戦だった。1点を争う接戦を制した新井カープが偉大な大先輩に弔い星をささげた。

 床田がまた一つ成長を示した。序盤から失点の危機を招きながらも粘りの投球で7回8安打1失点。左腕としては球団初のリーグ最速10勝に到達した。ナイターで気温30度を超える中、自身の投球で球場をさらに熱くした。

 「安打は結構打たれましたけど、回の先頭打者をしっかり(アウトに)取れた。それが良かった。(10勝は)別に何も思わないです」

 初回は2死から連打を浴びて二、三塁のピンチを迎えた。しかし宮崎が放った中堅へ抜けそうなゴロ打球を遊撃・矢野が好守。味方の守備で失点危機を回避。2、3回も走者を背負いながら併殺で要所を切り抜けた。2―0の6回は2死二塁から宮崎に左前適時打を浴びるも後続を打ち取って最少失点で切り抜けた。「いつも最強の守備陣が守ってくれる」。味方を信じて7回まで投げ抜き、先発の役目を果たした。

 “先輩”にも勇姿を届けた。球団左腕の2年連続の2桁勝利はジョンソン以来で、球団の日本人左腕としては川口和久以来。くしくも、この日はメモリアルピッチのイベント参加のためジョンソン氏が来場していた。「頑張って!」。そう試合前には激励を受けた。入団1年目から4年間、チームメートとして間近で頼もしい助っ人の姿を見てきた。

 「(ジョンソンは)何でも勝負できるし、何でもカウントを取れる。(投げる時の)間がめちゃくちゃ長くて、それで150キロとか投げて、制球もいい。凄いなと思っていた」

 憧れから投球フォームをまねたこともあったが、最終的には断念した。「胸郭が硬すぎて、ケガをしてしまうと思ったのでやめた」。投球フォームを通じても凄さを実感。そのジョンソン氏が見守る中で真価を示した。

 また、チームにとっても大きな1勝となった。天国に旅立った阿南準郎さんに勝利をささげ床田は「(勝てて)良かったです」とうなずき、新井監督も「今日は特別な日だと思うので、そういう日に勝ててホッとしている」と感慨深げな様子だった。左腕の活躍でチームは2連勝で貯金7。同一カード勝ち越しを決め、首位・巨人とは1ゲーム差に縮め、8月戦線に弾みをつけた。 (長谷川 凡記)

 ○…床田(広)がセ・リーグ10勝一番乗り。広島投手では82、92年北別府学、95年山内泰幸、08年ルイス、12年前田健太、18年大瀬良に続く6人目(7度目)で、左腕ではチーム初。昨季の11勝から2年連続の2桁勝利は、チーム左腕ではジョンソンの18、19年以来5年ぶり。日本人左腕では川口和久が86~91年の6年連続で記録して以来33年ぶりになる。

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