◇パリ五輪第7日 卓球(2024年8月1日 パリ南アリーナ)
女子シングルス準々決勝が行われ、世界ランク13位の平野美宇(木下グループ)が、同8位のシン・ユビン(韓国)に3―4で敗れ、メダルには届かなかった。
21年東京五輪は団体戦のみの出場で、シングルスのコートに立つのはパリが初めて。1回戦を終えた後には「やっとつかんだシングルスの切符だったので。楽しみと緊張があったけど、初戦の中では良かったところもあるんじゃないかな」と話していた。
シン・ユビンとの準々決勝。第1ゲームを4―11で落とすとなかなか攻略の糸口をつかめない。第2ゲームも7―11、第3ゲームも5―11とされ崖っぷちに立たされた。会場に「ヒラノ」コールが起きる中、3ゲーム奪い返して最終第7ゲームへ。最後は屈したものの、壮絶なラリーに会場は熱狂した。
選手村での生活では意識的に食事を摂るようにしている。「期間が長いので、痩せないように。できるだけ、ご飯を食べるようにしている」。エネルギーをチャージしながら勝ち進んできたが、表彰台への道は途切れた。死闘を終えた平野は涙を流し、タオルで顔を覆った。シンの目にも涙が浮かんでいた。
試合後、平野は「0―3で負けている時は、このままだと後悔すると思った。いつもなら折れるところだった。このままじゃ負けられないと思った。メダルに届かなかったので、団体で出すしかない」と懸命に前を向いた。
5日からの団体戦で打倒・中国での金メダルを狙う。