J1新潟は1日、聖籠町のアルビレッジで練習を公開した。J2徳島から完全移籍で加入したDF橋本健人（24）がチームに合流。シュート練習では得意のクロスを披露した。昨季は横浜FCでJ1に初挑戦したが不完全燃焼に終わった。プレースタイルが合致する新潟で再挑戦し、実力を示そうと並々ならぬ闘志を燃やしている。
パスやポゼッション、クロスからのシュート。約1時間半の軽めのメニューで終わった全体練習後、橋本はFW長倉らを相手に左サイドからのクロスを繰り返した。
「昨日移動で、疲れていないと思っていたが疲れていた。今日キックの質は正直良くなかった。納得いかなくてやったが、自主練の方が良かった」。新たに加わった左サイドバック（SB）は合流初日から意欲に満ちていた。
今季移籍した徳島では左ウイングバックの主力としてリーグ戦21試合に出場。4月にはJ2月間ベストゴールに選ばれた豪快なミドルシュートも決めた。チームとして苦しい序盤戦を乗り越え、昇格争いに食い込む位置に上がってきた中でオファーが届いた。「正直迷った」。加入してまだ半年。充実感もあった。ただ、それ以上にJ1に再挑戦したい気持ちが上回った。
「自分の成長、限られた短いキャリアを考えた時にJ1の舞台でやりたい。途中で入って活躍するという難しい方を選んだ」
移籍の決め手の一つは、ボールを大切にする新潟のプレースタイルだ。山口に所属していた22年に対戦し、魅了された。「僕がやりたいことをやっている。SBに求められる立ち位置の豊富さ、自由さが凄い魅力。得意とする部分で、もっとやってみたい」とイメージを膨らませる。
クロスやスルーパスが武器の攻撃的SB。昨季J1だった横浜FCではリーグ戦7試合出場にとどまった。守備強度が課題だったと分析し、徳島で意識的に取り組んできた。
「不完全燃焼」で昨季を終えたが、8カ月後に再びJ1の舞台に立つ資格を手に入れた。7日のホーム磐田戦から出場できる。「補強で来たので、順位を上げることが僕の使命。すぐにピッチに立ちたい。ゆっくりやるつもりはない」。ギラギラとした目で語った。 （西巻 賢介）
◇橋本 健人（はしもと・けんと）1999年（平11）12月8日生まれ、神奈川県出身の24歳。横浜FCユース、慶大を経て22年にJ2山口加入。昨季は横浜FCに期限付き移籍し、今季徳島に完全移籍。J1通算7試合出場、J2通算74試合出場4得点。趣味は漫画、温泉、サウナ、ゴルフ。1メートル73、68キロ。利き足は左。背番号は42。