◇セ・リーグ 広島2―1DeNA(2024年8月1日 マツダ)
【野村謙二郎 視点】まさにハラハラ、ドキドキ。クローザーの苦しさを見ていて感じた。栗林自身も苦しかったと思う。9回2死一、二塁で4番・牧に1球投じた後、アウトにはならなかったものの、二塁へ見事なけん制球を投げた。臆測だが、直前にマウンドへ行った石原バッテリーコーチが話をしたのだろう。裏返せば、思うような投球ができていないからでもあった。
どうであれ、勝ち切ったことが大きい。リードは1点、負けられない試合が続くことは本人が自覚しており、抑えて当然という高い世評をえる投手でも、前半戦とは違うプレッシャーがのしかかる。ましてや7月28日のヤクルト戦でセーブ失敗があり、今回また…となれば不安が残る。この時期になれば内容よりも結果だ。勝ち切ることで前を向ける。
抜けては困る絶対的な存在。思えば昨季は8月に複数の主力が故障した影響で首位・阪神に引き離された。今季は長期離脱にならないよう、首脳陣が我慢しながらマネジメントをしてきた。苦しい試合はまだまだ続く。栗林には最後までしっかり頑張ってもらいたい。 (スポニチ本紙評論家)