◇パリ五輪第7日 バドミントン(2024年8月1日 ポルト・ド・ラ・シャペル・アリーナ)
女子シングルス決勝トーナメント1回戦が行われ、世界ランク10位の大堀彩(27=トナミ運輸)は、同20位のジャミン・ヨ(シンガポール)に11―21、21―14、24―22で逆転勝ちし、準々決勝に進んだ。
激闘を制した。勝利が決まると、大堀はコートに倒れ込んだ。「頭が真っ白だった。勝ち切ることができた。次につながった」。達成感に満たされた。
試合前、緊張から顔が引きつっていた。日本代表の今別府香里コーチから「トイレで思い切り笑っておいで」と言われ、トイレで無理矢理笑顔を作ってからコートに入った。
しかし、第1ゲームはリズムに乗れない。「勝ちたい気持ちが出て、うまくラケットを振れなかった」。ミスを重ねて失った。
第2ゲーム前、コーチの父・均さん、今別府代表コーチから「いつも通りでいいよ」と言われて、やっと肩の力が抜けた。ゲームカウントを1―1とし、第3ゲームに臨んだ。
必死でシャトルに食らいついた。何度も何度も転んだ。先にマッチポイントを握られた。それでも諦めなかった。ジュースに持ち込み逆転で制した。
「(五輪代表選考)レース中も、あの展開を何度も乗り越えてここに来ている。今までで初めて自分を信じてプレーできたと思う」と胸を張った。
初の五輪で8強に進んだ。準々決勝の相手はカロリーナ・マリン(スペイン)。リオデジャネイロ五輪金メダルの難敵だが、大堀は「私の120%出せれば可能性がある。自分自身の可能性が無限大だと思っている。私ならできると思っている」とひるまない。