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「虎に翼」史実展開 航一は総力戦研究所にいた“ごめんなさい”の理由にネット「1人で背負うには…」

スポニチアネックス 2024年8月2日 8時15分

 女優の伊藤沙莉(30)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「虎に翼」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は2日、第90話が放送され、裁判官・星航一の過去が明かされた。

 <※以下、ネタバレ有>

 向田邦子賞に輝いたNHKよるドラ「恋せぬふたり」などの吉田恵里香氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算110作目。日本初の女性弁護士・判事・裁判所所長となった三淵嘉子氏をモデルに、法曹の世界に飛び込む日本初の女性・猪爪寅子(ともこ)の人生を描く。吉田氏は初の朝ドラ脚本。伊藤は2017年度前期「ひよっこ」以来2回目の朝ドラ出演、初主演となる。

 第90話は、杉田太郎(高橋克実)の“我々は無力。どうあがいても戦争は止められなかった”という言葉を機に、星航一(岡田将生)は戦時中に経験した“ある秘密”を語り始める…という展開。

 「思っていることは口に出した方がいい。その方がいい」という猪爪直道(上川周作)の口癖を借りた佐田寅子(伊藤沙莉)に促され、航一は戸惑いながらも自身の過去を明かした。

 航一は「総力戦研究所」にいた。1940年(昭和15年)に設置された内閣総理大臣直轄の研究所。30代の優秀な人材が集められた。

 航一ら研究生は模擬内閣を発足。日米戦争を想定した総力戦の机上演習を行った。結果は資源の自給率の低さなど、様々な理由から日本敗戦。「万に一つも勝利はなし。日米開戦は避けるべき」と提言したが、政府中枢は「これは机上演習であって、実際の戦争とは全く異なる」「この演習の結果は、政府の方針とは何らの関係もない」と退けた。航一らは口外を禁じられ、解散となった。

 寅子「それで“ごめんなさい”なんですか。戦争を阻止できなかった責任を感じて」

 航一「もちろん、僕1人が何ができたかなんて、たかが知れてる。でも、佐田さんや杉田弁護士のように、大事な人を失った人間が大勢いる。妻も…照子も、満足な治療を受けられず死んでいった。その責任が微塵もないなんて、自分は従ったまでなんて、どうしても僕は言えない。その罪を、僕は誰からも裁かれることなく生きている。僕は、そんな自分という人間を何も信じていない。そんな人間が何かを変えられるとは思わない。だから、謝るしかできないんです。子どもを育て切るために、裁判官の務めを果たします。僕自身は信じられなくても、法律は信じられるから。でもそれ以外は、すべて距離を…置いていたのに。すみません」

 太郎らは“航一のせいじゃない”“気に病むことはない”と慰め。航一は「外で頭を冷やしてきます」と席を外した。

 寅子は航一を追い掛け「航一さんの立場だったら、周りが何と言おうと、私も、自分のせいじゃないとは言えない。“ごめんなさい”と謝ることしかできない。そう思いました。でも、だからこそ、少し分けてくれませんか。航一さんが抱えているもの、私に。あなたが抱えているものは。私たち誰しもに何かしらの責任があることだから。だから、馬鹿の一つ覚えですが、寄り添って、一緒にもがきたい。少しでも楽になるなら」。航一はしゃがみ込み、慟哭。寅子は航一の背中をさすった。

 星航一役のモチーフになったとみられる裁判官・三淵乾太郎(けんたろう)氏は「総力戦研究所」の第1期生。模擬内閣で司法大臣兼法制局長官。史実ベースの展開となった。

 SNS上には「航一さんの“ごめんなさい”。こういう意味だったのか…抱えているものが重すぎる」「星さんが抱えていた秘密はあまりに重たかった」「1人で背負うには重すぎる」「総力戦研究所の存在を知れたことは貴重」「お兄ちゃんの言う通り、言葉にしてよかった。新しい一歩が踏み出せるはず」などの声も上がった。

 5日から第19週「悪女の賢者ぶり?」に入る。

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