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【相撲インターハイ】和歌山商業が63年ぶり団体優勝!西出ら3年生3人が全勝“補欠出場”から頂点へ

スポニチアネックス 2024年8月3日 9時50分

 全国高等学校総合体育大会(インターハイ)相撲競技が2日、大分・宇佐市総合運動場相撲場で最終日を迎え、前日までの予選を突破した優秀32校による団体戦決勝トーナメントが行われた。

 2年連続高校横綱の西出大毅を擁する和歌山商業が、1961年以来63年ぶりの優勝を果たした。決勝で対戦したのは、優勝候補筆頭で8大会連続決勝進出の鳥取城北。前日の団体予選2回戦で2―3で敗れた相手との再戦だった。

 先鋒の花田龍信(2年)と二陣の小林優太(2年)が敗れて0―2の追い込まれた状況に。「後ろで3年生3人がどっしり構えているので、自分がしっかり止めて後の2人につなぐという意識だった」という中堅・西出大毅(3年)が小林梅太(2年)を寄り倒してまず1点。続く副将の中西海心は、予選で敗れた自身より17センチ長身の井上泰我(2年)を相手に右前ミツを取って出し投げから一気に前に出て押し出し、2―2のタイに持ち込んだ。大将の山本十蔵は「予選で勝っているので自信はありました。緊張することもなかったです」と強い気持ちで土俵に上がり、左四つの力強い引き付け合いからムンフビルグーン(3年)を寄り倒した。「3年生3人の意地で勝ちました。泣く気はなかったけど、勝って初めて泣きました」。大逆転優勝を決め、あふれる感情を爆発させた。

 一度は諦めかけた夢舞台だった。6月の県大会ではライバルの箕島に敗退。インターハイ団体戦出場への道は絶たれたが、他県で欠場が出たため2年後の開催地である和歌山県に補欠出場枠が回ってきた。門林三千生監督は「たまたまチャンスもらえたので、失うものはないと思い切っていけました。信じられないです。夢のようです」と感慨深げに喜びをかみしめた。団体優勝は63年ぶり6度目。初優勝が大正9年(1920年)の第2回大会だったという古豪が令和に大復活を遂げた。

 前2人が2年生で後ろ3人が3年生という布陣。主将で絶対的エースの中堅・西出と、副将・中西海心、大将・山本十蔵もこの日は全勝だった。門林監督は「先鋒、二陣の2年生2人が思い切って相撲取って後ろの3年生3人が結果を出す、調和の取れた良いチーム。よくやってくれました。誇りに思います」と感無量。副将戦を流れが変わったポイントに挙げ「ムードメーカーの中西が勝てば勢いに乗る。中西は大舞台でやってくれた」と活躍を称えた。

 2―2の大将戦を制した山本十蔵は、日大相撲部4年の山本剛瑠を兄に持つ。5年前に熊本・文徳高2年だった兄は、全国高校総体団体決勝で鳥取城北の向中野真豪(現幕下・天照鵬)を破って優勝に貢献していた。別の高校で兄弟そろってインターハイ団体優勝。「兄貴が優勝しているので、肩を並べられてよかった」と笑顔を見せた。

 ▽団体戦 優秀32校決勝トーナメント2回戦

鳥取城北 4―1 海洋(新潟)

埼玉栄 3―2 足立新田(東京)

金沢市立工業(石川) 5―0 報徳学園(兵庫)

箕島(和歌山) 5―0 岡山理大附属

希望が丘(福岡) 4―1 明徳義塾(高知)

高岡向陵(富山) 5―0 岐阜農林

和歌山商業 5―0 樹徳(群馬)

熊本農業 3―2 近大附属(大阪)

 ▽準々決勝

鳥取城北 4―1 埼玉栄

金沢市立工業 3―2 箕島

高岡向陵 3―2 希望が丘

和歌山商業 4―1 熊本農業

 ▽準決勝

鳥取城北 5―0 金沢市立工業

和歌山商業 5―0 高岡向陵

 ▽決勝

和歌山商業 3―2 鳥取城北

 花田龍信 寄り切り 西村和真○

 小林優太 押し出し 加藤哀翔○

○西出大毅 寄り倒し 小林梅太 

○中西海心 押し出し 井上泰我 

○山本十蔵 寄り倒し ムンフビルグーン 

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