◇パリ五輪第9日 卓球(2024年8月3日 パリ南アリーナ)
女子シングルス3位決定戦で、世界ランク5位の早田ひな(24=日本生命)が、同8位のシン・ユビン(韓国)を4―2で下して銅メダルを獲得した。日本勢の同種目表彰台は、21年東京の伊藤美誠の銅メダルに続き、2大会連続となった。
試合が終わると殊勲の汗が光るコートにしゃがみ込み、両手で顔を覆った。抑える涙を止める術なんて存在しない。「この状況で獲った銅メダルは、金メダルよりも価値があると思います」との言葉に実感がこもった。
1日の準々決勝で左腕に痛みが走り、前日(2日)の孫穎莎(中国)との準決勝は、患部にテーピングを巻く痛々しい姿でプレーして完敗。この日も痛みを抱えていたが、試合5分前に痛み止めの注射を打ち、大一番で魂の大奮闘を見せた。
「まさか、神様にこんなタイミングでいじわるされるとは思わなくて。でも。JOCの方、日本のみなさんが最後まで支えてくれてプレーできるところまでもってきてくれた。どんな結果になっても最後までやり続ける。銅メダルを見せられたらいいなと思って戦った」
同学年には早くから国際大会で結果を出した平野美宇、伊藤美誠の「みうみま」がいた。伊藤は16年リオ五輪に出場し、平野は17年アジア選手権を史上最年少で制した。“みうみまひな”として注目されながらも、前を走る2人とは大きな差があった。伊藤、そして平野が出場した東京五輪は補欠だった。伊藤はリオと東京で、平野も東京でメダルを獲得した。
2人より少し時間はかかった。それでも、黄金世代3本目の矢は日本のエースとして、パリの表彰台にたどり着いた。