◇パリ五輪第10日 テニス決勝 ジョコビッチ2-0アルカラス(2024年8月4日 ローランギャロス)
テニスの男子シングルス決勝が4日に行われ、ノバク・ジョコビッチ(37)とカルロス・アルカラス(21)が死闘を演じた。
ウインブルドン決勝の再戦となった組み合わせ。新旧テニス界のエースが意地と意地をぶつけ合った。
第1セットはジョコビッチのサービスゲームで始まり、キープしたが、今季全仏、ウインブルドンを制したアルカラスも一歩も引かない。お互いにサービスゲームをキープして、6-6でタイブレークに突入。タイブレークは3-3まで互角だったが、最後は4連続ポイントでジョコビッチが奪った。
第2セットも互角の展開。お互いにサービスゲームを堅守し、両者1つのブレークも許さないとてつもない“死闘”で、6-6となる。2セット連続のタイブレーク。2-2まで互角だったが、最後は5連続ポイントでジョコビッチが7-2で奪い、7-6(7-3)、7-6(7-2)のセットカウント2-0で決着。ジョコビッチはうれしい五輪初制覇となった。4大大会制覇(合計24勝)に、また一つ勲章が加わり、これで生涯ゴールデンスラム達成。生涯ゴールデンスラムは、アンドレ・アガシ(米国)、ラファエル・ナダル(スペイン)に続き男子3人目となった。
試合終了後、ジョコビッチはコートに頭をついて感激。さらにベンチに戻り、タオルで顔を覆い、充血した目をぬぐって喜びに浸った。その後、セルビアの国旗を掲げてスタンドまで駆け込み、家族と抱擁。愛娘・タラさんを抱きかかえて喜んだ。
苦節37年。08年北京五輪で銅メダルを獲得して以来の表彰台に立ち、「金メダルを取るために心も体も全てをささげてきた。37歳でようやくつかみ取れた。セルビアのために勝つことができたのが特別だ」としみじみ語った。
一方、敗れたアルカラスも目を真っ赤にして涙をぬぐう仕草を見せるなど、まさに死闘だった。
この死闘には日本のテニスファンも釘付け。X(旧ツイッター)では「すごい試合」「稀に見る大接戦」と興奮の声が飛び、金メダルを決めたジョコビッチに対しては「歴史に残る試合でしたね」「おめでとう 長かった金メダルへの道」「こんな瞬間に立ち会えて本当に良かった」など、祝福する声が集まっていた。