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金足農・吉田大輝 兄・輝星超え大旗獲りへ「全部0に」 初戦は3日目VS西日本短大付

スポニチアネックス 2024年8月5日 5時2分

 ◇第106回全国高校野球選手権大会・組み合わせ抽選会(2024年8月4日)

 甲子園100周年の節目となる第106回全国高校野球選手権(7日開幕、甲子園)の組み合わせ抽選会が4日、大阪市内で行われた。準優勝した18年以来6年ぶり7度目の出場となる金足農(秋田)は、第3日第2試合で西日本短大付(福岡)との対戦が決定。前回出場時のエースだったオリックス・吉田輝星投手(23)の弟で最速146キロ右腕の大輝投手(2年)は、兄を上回る全試合完投での全国制覇を誓った。

 再び起こす“金農旋風”の舞台は整った。6年前の18年、鹿児島実を初戦で破ってから始まった快進撃。あの夏と同様に初戦が九州勢の西日本短大付に決まり、試合時間は同じ第2試合。日付は1日遅い8月9日で、中泉一豊監督は「6年前と同じような日程で、また同じようにいければ」と再現を思い描いた。

 抽選の行方を食い入るように見つめていた2年生エース・吉田の気持ちはすでに沸騰寸前だ。「兄は全国の天下を獲れなかったので、次こそ自分が全部投げて獲りにいく」。1人で全試合を投げ抜き、兄・輝星がつかめなかった全国制覇を果たすイメージしかない。秋田大会では登板4試合で全て完投。だが、疲労を考慮し準決勝は登板がなく、大会後は「本当は全部投げたかったです」と悔しそうに本音を漏らしていた。常に“兄超え”を掲げるからこそ、初の甲子園で自らに課すハードルも高い。

 兄は秋田大会から甲子園準決勝まで1人で投げ続けたが、決勝では5回12安打12失点で降板。甲子園では6試合で50回を投げ23失点で62奪三振、防御率3・78。「輝星に負けないくらい三振を取って、兄は結構点も取られていたと思うので自分は全部0に抑えます」と普段から名前で呼ぶ兄を超えるゼロ宣言もした。くしくも相手の西日本短大付は92年夏に全国制覇し、当時のエース森尾和貴が4完封を含む全5試合で完投勝利。指揮官は「まだ調整は必要だが秋田大会より良くなってきている」と吉田の伝説となる投球に期待した。

 兄が出場したのは第100回記念大会。甲子園100周年の節目に同じ背番号1で立つ吉田は「何かの巡り合わせ。6年前は見る立場だったが、次は自分がいいところを見せてやりたい」と力強い。6年前と同じオール秋田出身メンバーで、旋風と悲願の頂点を目指す。(村井 樹)

 ▽18年夏の金足農 エース吉田輝星が、秋田大会は3完封含む全5試合で完投勝利。甲子園では1回戦の鹿児島実戦から、大垣日大(岐阜)、横浜(神奈川)、近江(滋賀)、そして準決勝の日大三(西東京)戦まで5試合連続完投で県勢103年ぶりの決勝進出を果たした。大阪桐蔭との決勝では5回降板で2―13で敗れたが、計881球の熱投と、しゃがんで刀を抜く「侍ポーズ」などで注目を浴びた。メンバーが全員秋田県出身だったことなどから「金農旋風」として社会現象になった。

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