◇パリ五輪12日目 レスリング(2024年8月6日 シャンドマルス・アリーナ)
男子グレコローマンスタイル130キロ級で、五輪史に残る金字塔が打ち立てられた。決勝で41歳のミハイン・ロペスヌニュエス(キューバ)がチリ選手を6―0で破り、08年北京五輪からの5連覇を達成した。
五輪の個人種目での5連覇は、全競技・種目を通じて史上初の快挙。レスリングでは日本の伊調馨が4連覇を達成しているが、21年東京五輪で伊調の記録に並んでいた“カリブの怪人”が、さらにその数字を伸ばした。
優勝が決まると、コーチを投げるパフォーマンスで喜びを表現したロペスヌニュエス。最後は履いていた黒のレスリングシューズを脱ぎ、マットの中央に残して闘いの舞台から下りると、この日一番の大歓声を気持ちよさそうに浴びた。
シューズをマットに置いた意図については「レスリングからの正式な引退と、若手に道を譲ったことを示す瞬間だ」と現役引退の意向を示した。