第106回全国高校野球選手権大会(17日間)が7日、甲子園で開幕した。スポニチ高校野球取材班にはDeNAでスカウト部長を務めた吉田孝司氏(78)が帯同する。ネット裏の記者席から「金の卵」に鋭く眼光を光らせる。
当コーナーの「元スカウト部長に直球質問!」ではアマチュア野球担当記者が素朴な疑問点を吉田氏にぶつけていく。
――地方大会や普段の練習で選手を視察しているのに、なぜ12球団スカウトは甲子園の試合をチェックする?
「今はちょっと変わってきてるみたいだけど、僕がやってる頃はスカウトは12球団全員が必ず来ていた。やっぱり特別な雰囲気だし、すごい大会でしょ。だから選手はやっぱりここで力が出るわけ。普段とまた違った力が出るから、それを見落とさないために我々は来ているんだ。そして自分たちの担当地区があるじゃない。それがここ甲子園に来たら普段見ていない選手が見れるわけよ。そして甲子園大会が終わってから、担当地域外の選手に関してもディスカッションができるってわけ」
――スカウトの方は試合前のシートノックで絶対に席を立たない。試合よりも集中してみているような気がする。
「シートノックでは難しいプレーが見られるからね。ショートなんて12球団ほしいでしょう。三遊間寄りの打球なんて試合中には何度もないから、そのときのファーストへのスローイングなんて、その時の足の運びとか肩の強さが見える。大事。甲子園っていうのはやっぱり選手も張り切ってるから、もう本当に自分の力を出してくれるわけで。それが練習でも見れるんだから。それを全員で見てね、大会一回り終わってからスカウト会議をやる。そこでどうだったとか、俺はこれでよかったんだけど、お前どうだとか、話していくんだ」