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【甲子園】“怪物・江川”が始球式 山なりボールでワンバウンドに「これが50年間の時間」「幻の球場」

スポニチアネックス 2024年8月7日 11時14分

 怪物が甲子園のマウンドで1球を投じた。栃木・作新学院出身で元巨人の江川卓氏(69)が7日、第106回全国高校野球選手権の始球式に登場。往年を彷彿(ほうふつ)させるゆったりしたフォームから山なりのボールを投げ込んだ。残念ながらノーバウンドで捕手のミットに届かず「今日こそは届かせかったけど残念。自分の行ける範囲と実際の体の動きが違うんですね。これが50年間の時間だと思います」と苦笑いした。

 同氏は第45回選抜(1973年)で1大会通算最多奪三振60をマーク。同年夏の第55回全国選手権は銚子商との2回戦で0―0の延長十二回1死満塁から押し出し四球を与え、サヨナラ負けしたものの「怪物」の名前が一気に定着した。

 今回は甲子園開場100周年とあり「球場の歴史の中でも鮮烈な印象を残した選手」として主催者が招へい。「僕のイメージは(高校在籍時の)春と夏だけにパッと表れる幻の球場なので、そこで投げることはもうないと思っていた。それが(始球式で)実現させていただいたので、こんなにうれしいことはない」と感無量の面持ちだった。

 投げる直前、球場スクリーンに銚子商との1戦が流れた。「あの夏、凄くバテていたと思い出して…。でも相手も素晴らしいチームだった」。

 始球式後、両校の選手に言葉をかけた。「ぜひいい思い出をつくって下さいと伝えました」。初戦敗退しても、全選手が聖地を目指しその結果各地区代表としているのだから、高校野球に携わる全関係者に感謝しながら、素晴らしい場所で楽しんでプレーしてほしいと改めて訴えた。

 「野球はミスのスポーツ。人生だってミスだらけですけど、これからも長いんだから、それを受けて止めて、人生に生かして欲しい」と話した。

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