◇第106回全国高校野球選手権大会 第1日 有田工6ー10滋賀学園(2024年8月7日 甲子園)
スクールカラーの赤に染まった応援席からねぎらいの声と拍手が聞こえてくる。有田工のエース、石永煌希(3年)は思わず膝から崩れ落ち涙が止まらなかった。先発で7回0/3、7失点(自責4)で右翼の守備に回った。昨晩に地元を10台のバスで出発し、約700人が声を送っただけに「こんなに多くの人が応援してくれて自分たちは期待に応えられなかった。ごめんなささいと謝りたい」と目を真っ赤にして言った。
100歳を迎えた甲子園での開幕戦。始球式は作新学院時代は「怪物」と称され巨人では通算135勝を挙げた江川卓氏が務めた。真横で投球を見つめ、握手もしてもらい「頑張ってねと言われうれしかった」。パワーに変えようとしたが、初回から3点を失うなど本調子には遠かった。
佐賀県大会を終え左肘に痛みを抱えていた。最速は138キロだが、この日は130キロ止まり。「自分の全力を尽くして投げたが、思うようにいかず悔しかったです」と声を落とした。
この日スタメンだった2年5人を中心に夢は託された。