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レスリング文田の父・敏郎さん「不思議な縁」教え子2人が同日にメダル獲得 東京五輪の悔しさ晴れた

スポニチアネックス 2024年8月8日 2時1分

 ◇パリ五輪12日目 レスリング(2024年8月6日 シャンドマルス・アリーナ)

 40年ぶりの快挙だ!男子グレコローマンスタイル60キロ級決勝が6日に行われ、21年東京五輪銀メダルの文田健一郎(28=ミキハウス)が曹利国(ソウ・リコク、中国)を4―1で破り、悲願の金メダルを獲得した。グレコで日本勢の優勝は、84年ロサンゼルス大会で52キロ級を制した宮原厚次以来40年ぶり5人目。フリースタイルや04年アテネ大会で始まった女子に押されてきた日本グレコのエースが、重い歴史の扉をこじ開けた。

 文田の父で山梨・韮崎工監督の敏郎さん(62)は観客席で愛息の金メダル獲得の瞬間を見届けた。12年ロンドン五輪金メダルの米満達弘も育てた名指導者。幼少期の文田を子守を兼ねてレスリング場に連れていき、マット運動やトランポリンで遊ばせて“にゃんこレスラー”と称される柔軟性をつくった。東京五輪決勝の敗戦は「私は悔しすぎて、相手のキューバ選手を研究した。右手、左手と全部押さえていた。あれは反則なのに…」とやり場のない怒りを抱えていたが、ようやく心が晴れた。

 昨夏からは週末に韮崎へ通う女子の尾崎も個別指導し、五輪代表、そして銅メダルへと導いた敏郎さん。「不思議な縁。同じ日に試合なんて」と“教え子”2人の同時金メダルは逃したが、その表情は満足げだった。

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