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スケボー2大会連続銀メダルの15歳・開心那 はにかみながら明かす4つの夢 4年後19歳のロスも意欲

スポニチアネックス 2024年8月8日 6時33分

 ◇パリ五輪第12日 スケートボード(2024年8月6日 コンコルド広場)

 女子パーク決勝が6日に行われ、世界女王の開心那(ひらき・ここな、15=WHYDAH GROUP)が92.63点で2位。12歳で日本史上最年少メダリストとなった21年東京五輪に続いて2大会連続の銀メダルを獲得した。初出場の草木ひなの(16=スターツ)は69.76点で8位。東京五輪金メダルの四十住(よそずみ)さくら(22=第一生命保険)は予選で敗退し、2連覇を逃した。

 銀メダル獲得から一夜明けた7日、パリ市内で会見した開は晴れやかな笑顔だった。「パリは観客もたくさん入って盛り上がった。本物のオリンピックを体験した感じだった」。メダルの色は同じでも、喜びは無観客だった東京より大きかった。

 予選1位で決勝に臨んだ。1回目を首位で終えたが、その後2人に抜かれ暫定3位で迎えた最終3回目の試技。ダイナミックなエアで勝負する選手が多い中、コース縁を板の裏などで滑る「リップトリック」を軸に独自のスタイルを貫いた。座右の銘「唯一無二」を体現するランで92.63点を叩き出し「過去イチうれしい。今回はメダルを獲りたい気持ちで来た。全てを出し切れて銀メダルを獲れたので東京よりうれしい」とうなずいた。

 12歳11カ月で夏季五輪の日本最年少メダルを獲得した東京五輪から3年。身長は20センチ以上も伸びた。変わったのは体だけではない。技術も進化。板の先端で滑る「ノーズグラインド」は姿勢が崩れなくなった。空中で板を縦回転させて手でつかむ大技「キックフリップ・インディー」も磨きがかかった。

 西川隆監督が「精神的に強くなった。緊張にも打ち勝つようになった」と話すように内面も成長し安定した成績を残してきた。計6戦の五輪予選で5度表彰台に立ち、ランク1位で切符をつかんだ。

 開には夢がある。一生スケートボード選手として活動すること。デッキ(板)やシューズのブランドから自身の名を冠したシグネチャーモデルを発売すること。プレー映像を音楽などで演出する「ビデオパート」を制作すること。そして「サンディエゴに大きくなくて良いのでプライベートパーク付きの家が欲しい」とはにかんだ。

 4年後もまだ19歳。ロサンゼルス五輪では3大会連続メダルの偉業、そして初の金メダルを狙う。「LA(ロサンゼルス)にも日本代表として行けるように頑張りたい」と視線を上げた。 (福永 稔彦)

 ◇開 心那(ひらき・ここな)2008年(平20)8月26日生まれ、北海道出身の15歳。第一学院高在学中。5歳でスケボーを開始。18年世界選手権7位、19年日本選手権優勝、同年のデュー・ツアーで3位と実績を積み、12歳で迎えた21年東京五輪では銀メダルを獲得。日本史上最年少メダリストとなった。パリ五輪予選シリーズも総合1位で2大会連続の出場権を獲得。東京五輪当時の1メートル46だった身長は24センチ伸びて現在1メートル70。

 ▽スケートボード・パーク おわんを組み合わせたようなコースで実施する種目で、初採用は21年東京五輪。斜面から高く跳び上がるエア(空中技)や、コースの縁を板の裏や車軸で滑る技の難度と完成度を競う。45秒間に技を連発する「ラン」を滑って100点満点で採点し、3回の最高点で順位を決定。ストリートと同様、五輪出場に年齢制限はない。計6戦の予選大会で出場権を争った。

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