◇第106回全国高校野球選手権大会 1回戦 大阪桐蔭5―0興南（2024年8月8日 甲子園）
春夏連覇経験校同士の対決は、大阪桐蔭に軍配が上がった。大阪桐蔭（大阪）が興南（沖縄）を5―0で破り、6年ぶり6度目の夏の頂点に向けて、初戦を突破した。
先制点を挙げ、試合の主導権を握った。3回、先頭の岡江伸英（3年）がチーム初安打となる右前打で出塁すると1死一塁から中野が四球でつなぎ、1番・吉田翔輝（3年）が右中間を深々と破る2点三塁打で先制。この回、さらに1点を加えると4回には1死からの3連打を起点に押し出し四球、内野ゴロと効率よく加点。興南エースの最速149キロ左腕・田崎颯士投手（3年）を攻略した。
先発の中野大虎投手（2年）が安定感抜群の投球でチームを勝利に導いた。制球力と140キロ台の直球を軸に興南打線を封じ、わずか4安打で完封。与えた四球は2、投球数は107と最後まで安定感はブレなかった。
投手力、打撃力と同時に堅い守備力も見せつけての勝利に、西谷浩一監督は「本当、今日は守りがちと思っています。バッテリー中心に守りからリズムを作れたので、こういう試合をしたいと思っています」と笑顔。
先発の中野についても「ランナーを背負ってからでも強いし、フィールディングもうまいし、何より気持ちの強い子。今日は頭を中野で行こうと決めて、5回くらいまで投げてくれれば十分と思っていましたが、代えるところがなかったです」と最大限の賛辞を送った。
西谷監督は前人未到の甲子園通算70勝を記録した。次戦に向け「少し時間があるので、しっかり練習してうまくなって、次の試合に臨みたいとおもっています」と表情を引き締める。2度目の春夏連覇を達成した2018年も初戦で春夏連覇校対決（対作新学院）を制して進撃。「もっともっと、しっかり守って、もっともっと、しっかり打って。粘って粘って、粘り抜く大阪桐蔭の野球を確立したい」と「自分たちの野球」を貫き、頂点まで走り抜ける。