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【甲子園】大阪桐蔭・中野大「虎」が甲子園で輝いた 2年生右腕が完封一番乗り「自分一人で…」

スポニチアネックス 2024年8月9日 5時3分

 ◇第106回全国高校野球選手権大会第2日・1回戦 大阪桐蔭5ー0興南(2024年8月8日 甲子園)

 大阪桐蔭(大阪)が興南(沖縄)を5―0で破り、出場11大会連続で初戦を突破した。最速149キロ右腕の中野大虎(2年)が被安打4の力投で大会一番乗りの完封勝利。大阪勢として春夏通算400勝目を飾った。

 注目の「春夏連覇校対決」で先発マウンドに立ったのは、背番号11の中野だった。大阪桐蔭の夏の甲子園大会初戦で2年生投手の先発登板は過去に2人しかいない。「大事な初戦を任された。自分一人で投げ切ろうと思いました」。前田悠伍(現ソフトバンク)らも与えられなかった下級生での「開幕投手」。大会一番乗りの完封勝利で抜てきに応えた。

 背番号1の平嶋桂知(3年)や、大阪大会決勝で15奪三振の快投を演じた来秋ドラフト候補の森陽樹(2年)らのように直球が150キロを超えるわけではない。「打たせてリズム良く投げられることが持ち味です」。3奪三振でもバットの芯で捉えさせず、許した4安打は全て単打。「バテていないと示すため」と毎回マウンドから全力疾走で一塁ベンチに戻った。8回終了時に西谷浩一監督から「へばってるやろ?」と聞かれても首を横に振り、計107球で片付けた。

 阪神ファンの一家に生まれ、「大虎」と名付けられた。特に母方の祖父は阪神の私設応援団に所属するほどの虎党。中野が生まれる前に他界し、「男の子が生まれたら名前に虎を入れてほしい」と願いを残した。「赤ちゃんの頃から来ている」という甲子園への出場が決まり、母・久美さんからは手紙が届いた。「お母さんは甲子園に立てないから、うらやましいわ」。試合中は頭の中で阪神のチャンステーマが流れ、独壇場に変えた。

 今春選抜は3度の救援で計7回3失点。前夜に同学年の森と「どっちが先発でも2人でつなごうな」と誓い合っていた。主役を譲らず、聖地のマウンドを最後まで独占した。 (河合 洋介)

 ◇中野 大虎(なかの・だいと)2007年6月18日生まれ、大阪府和泉市出身の17歳。5歳でソフトボールを始め小6から野球に転向して大阪泉州ボーイズで投手を務める。中学では浜寺ボーイズに所属。大阪桐蔭では1年秋から背番号10でベンチ入りし、甲子園には2年春から2季連続出場。50メートル走6秒3、遠投115メートル。1メートル80、79キロ。右投げ右打ち。

 ○…大阪桐蔭の2年生投手が甲子園初戦で先発登板したのは過去に夏2人、春0人。06年石田大樹は横浜との1回戦で7回2失点で勝利。14年田中誠也は開星との1回戦で5回5失点で勝利。今回が3人目で、完投・完封は中野が初めて。

 ○…大阪桐蔭が勝ち、大阪勢の春夏通算400勝目。内訳上位は過去7度優勝のPL学園が96勝、9度優勝の大阪桐蔭が78勝、大体大浪商が49勝。都道府県別の勝利数は全国1位で、2位は兵庫(324勝)。

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