◇パリ五輪第14日 卓球(2024年8月8日 パリ南アリーナ)
卓球女子団体戦の準決勝で、日本がドイツを3―1で下して決勝に進出し、銀メダル以上を確定させた。12年ロンドン銀、16年リオ銅、21年東京銀に続く4大会連続表彰台となる。
16歳・張本美和(木下グループ)が失意の後に奮起した。第2試合のシングルスでまさかのストレート負け。渡辺監督も「予想外。五輪だな、と」と驚く今大会3試合目での初黒星だったが、早田ひな(日本生命)と平野美宇(木下グループ)から声をかけられて、第4試合のコートに立った。
「平野選手と早田選手が『思い切って』と声をかけてくれた。毎球毎球、思い出しながらプレーした」
第4試合のシングルスで3―0圧倒。第3ゲームは11―0とラブゲームで決めた。かつては11―0で勝つのはタブーとされ相手に1点与える暗黙のルールがあったが、近年はなし。張本は集中を切らさず押し切り、安堵の涙を流した。
悲願の金メダルを目指して10日午後3時(日本時間10時)から最強の中国に挑む。「もう、自分は1回、負けたので。相手が誰だろうと自分のプレーができるように頑張りたい」。16歳の躍動が、打倒・中国を可能にする。