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元スカウト部長に質問 「スカウトは新聞や雑誌を参考に?」「ドラフト攻略法は?」 宮崎敏郎指名秘話も…

スポニチアネックス 2024年8月9日 9時1分

 ◇第106回全国高校野球選手権大会第3日(2024年8月9日 甲子園)

 第106回全国高校野球選手権大会(17日間)が7日、甲子園で開幕した。スポニチ高校野球取材班にはDeNAでスカウト部長を務めた吉田孝司氏(78)が帯同する。ネット裏の記者席から「金の卵」に鋭く眼光を光らせる。

 当コーナーの「元スカウト部長に直球質問!」ではアマチュア野球担当記者が素朴な疑問点を吉田氏にぶつけていく。

 ――僕らマスコミも日々ドラフト候補選手を追っているが、本職のスカウトが新聞や雑誌を参考にすることはあるか。

 「あんまり見なかったね。参考にすることはあるけど自分で見ているから(笑い)。他のスカウトの話しを参考にすることもあるけど、やっぱり自分の目だね。俺はね。最後は自分で決めるもんだからね」

 ――ドラフト会議の攻略方法はあるか。

 「これがあるんだよ。ドラフト上位の選手なんて12球団が評価しているんだから、あとは球団内で順番をつけて縁があるか、ないかの話し(笑い)。ドラフトで勝てるか、大事なのは5巡目以降の指名なんだ。5巡目以降指名できる隠れた逸材を見つける。そうするとラクなのよ。5巡目以降であの選手が取れるから上位の指名で焦る必要もないからね」

 ――まさに隠し玉ってやつですね。

 「そうそう。最低1人は見つけとくね。2人は難しいから。そのために俺は4月くらいから目星をつけといた。“これはいいな”思うでしょ。5月、6月になっても他球団が視察に来てなければチャンスだよね。高校生より大学、社会人の方が多かったね。そういう指名は」

 ――具体的には。

 「セガサミーの宮崎(敏郎)は会心の指名だったね。当時、即戦力の選手を探していたんだけど宮崎はすばらしい選手だと思ったよ。社会人野球のJABA大会で見てこれは…って思った。守備では二塁を守れるし、派手さはないんだけど右に打てるバッティングがいいんだよね。最終的には夏の都市対抗予選前のオープン戦を(GMの)高田さんと観戦したら右中間にホームラン打ってくれた。これはいいねって。じゃあ(指名)いきましょうってなったんだよ」

 ――ドラフト6位指名ながらその後は球界を代表する右打者に成長しましたね。

 「そうだね。本当に良いヒットメーカーになってくれた。やっぱり自分の目を信じるよ。だから新聞や雑誌はあくまで参考だね」

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