◇セ・リーグ DeNA14―4ヤクルト(2024年8月10日 横浜)
これが主砲の意地だ。DeNAは牧が好機で快音を響かせた。
6番に打順が下がるのは6月1日の日本ハム戦以来、今季2度目。初回1死満塁で左翼・サンタナのグラブをはじく左越えの2点打を放った。
試合前時点で得点圏打率・198。これが6試合24打席ぶりの適時打だった。続く2回2死満塁でも左翼線に2点二塁打し「貴重な追加点を奪うことができてうれしい」と喜んだ。
昨季はリーグ3位の得点圏打率・354。野球では「チャンスに強い打者」との言葉があるが、今季の牧はなぜが好機で1本が出ない。2回は2死二、三塁で目の前で宮崎が申告敬遠。満塁で勝負され「悔しい、なんかこみ上げるものがあった。絶対に打ってやるという気持ちだった」。まさに意地の一打だった。
試合前には酷暑の中でロングティーを敢行。「何か変えないといけない。夏場は(バットを)振る回数も少なくなる。今日ぐらい振って、体の切れもいい。いいものを得られた」と手応えを感じて試合に臨んでいた。
打順が6番になっても、やはりチャンスで打席が回ってくる。「どんな打順でもチャンスで回ってくる星のもとに生まれたのかな、と。スターですから」と三浦監督。この言葉を伝え聞いた牧は「怖いっすね。悪魔のささやきです」と笑った。