◇パリ五輪第16日 陸上(2024年8月10日 フランス競技場)
女子やり投げ決勝で、23年世界女王の北口榛花(JAL)が、日本女子のトラック・フィールド種目で日本初の金メダルを獲得した。
1投目にいきなり65メートル80の今季自己ベストをマーク。ガッツポーズを見せ、ライバルに重圧を与えた。昨季から今季にかけての11連勝中、最終投での逆転勝ちが8度もあった北口だが、パリの夢舞台は1投で勝負を決めた。
【北口榛花ってこんな人】
☆生まれとサイズ 1998年(平10)3月16日生まれ、北海道旭川市出身の25歳。1メートル79、86キロ。
☆経歴 北海道教大旭川中―旭川東高―日大。20年にアスリート社員としてJAL入社。19年2月からチェコを練習拠点にしており、ダビド・セケラク・コーチに師事。
☆名前の由来 パティシエの父・幸平さんが、ヘーゼルナッツが採れる落葉低木の榛(はしばみ)から採用。日本陸連には「榛花」を「棒花」と表記ミスされる悲しい?過去も。
☆競技歴 3歳で水泳を始め、小1で始めたバドミントンでは小6時に団体戦で全国優勝。水泳に専念する予定だった旭川東高で陸上部顧問の松橋昌巳先生に誘われ、陸上を始める。
☆主な実績 高3時に15年世界ユース選手権優勝。19年に2度の日本新記録をマーク。21年東京五輪は決勝進出も12位。最高峰のダイヤモンドリーグ(DL)通算4勝。昨年DLファイナル銅メダル。
☆行きつけ 帰国した際は、東京・上板橋にある焼肉店「崔安閣」に足を運ぶ。フィレ肉が大好物。いろいろな店に入る度に、独特な笑い声で周囲にバレてしまうようで「ちょっと静かに」とツッコまれることもあるという。
☆スイーツ好き 競技の合間にカステラなどで栄養補給することも。思い出の味「榛のエクレア」「北口家の昔ながらのカスタードプリン」は幸平さんが勤めるアートホテル旭川で販売。
☆ハイチュウが沸騰ワード 昨年の世界選手権を制した直後、セケラク・コーチが勝因に「ハイチュウ、2タイムズ」と答えたことで、X(旧ツイッター)で「ハイチュウ2個」がトレンド入り。北口は「(コーチが)2粒くらいでなく2本のパックを全部食べきったということらしいです」と翌日に説明した。