◇パリ五輪第16日 陸上(2024年8月10日 フランス競技場)
女子やり投げ決勝で、23年世界女王の北口榛花(JAL)が、日本女子のトラック・フィールド種目で日本初の金メダルを獲得した。
1投目にいきなり65メートル80の今季自己ベストをマークした。ライバルが誰も北口の1投目を超えられず、自身の最終6投前に戴冠が決定。五輪女王としてパリでのラストスローは60メートルに届かずに天を仰いだが、涙があふれた。優勝者だけが鳴らすことができる競技場の鐘を絶叫とともに鳴らし、歓喜を爆発させた。
【北口と一問一答】
――世界の頂点に立った
「うれしいだけじゃ足りない。言葉にできない。いまだにまだ、実感がわかない」
――重圧などは
「特にプレッシャーは感じていなくて、大会に来てからはずっと楽しく五輪を過ごせていたので良かったけど、シーズン最初の方があまりうまくいかなくて。不安な部分がたくさんあった中、パリに臨んだので。本当に誰かが信じてくれなかったら、ここに立てなかったと思う。シーズン始めは誰が味方か分からなかったけど、ちゃんとずっと味方してくれる人がいて凄くありがたいです」
――1投目にシーズンベスト
「いつもは6投目までちょっとのんびりしてるんですけど、今日は他の選手も凄い選手ばかりなのでプレッシャーかけられるよう、1投目から絶対いきたいと思って臨んだので。有言実行できたけど、1投目あれだけ投げられたなら、もうちょっと記録欲しかった。夢の中では70メートル投げられていたので、ちょっと悔しい部分もあるけど、また頑張って現実にできるようにしたい」
――夢はいつ見た
「選手村に入ってから毎日、夢では70メートル投げていました」
――6投目も金が決まっても表情変わらなかった
「調子がいいと分かっていたので、記録が欲しかった。最後までしっかりやりました」
――世界選手権女王として迎えた。チャレンジャーとは違う気持ちがあったのでは
「今季そんなに良くなかったのでチャレンジャーでした。ははは」
――コーチとはどんな話を
「私は何もしゃべれなかったけど、私が世界で一番だって言ってくれて、凄くうれしかった」
――五輪で頂点に立って見えたもの
「大事な試合で勝ち続けるのは簡単じゃないので。それを続けられるように頑張りたい。今日出なかった記録も、夢の中で終わっちゃったものも次はかなえれるように頑張りたい」
――来年の東京世界選手権で
「もうちょっと前がいいです。はははは」