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清岡幸大郎 ノーシードから金メダル!日本レスリング界の“元気玉”23歳がパリ16日間連続メダル決める

スポニチアネックス 2024年8月11日 19時31分

 ◇パリ五輪最終日 レスリング(2024年8月11日 シャンドマルス・アリーナ)

 男子フリースタイル65キロ級の清岡幸大郎(23=三恵海運)が11日、決勝で22年世界王者のラフマンムサ・アムザドハリリ(イラン)を下し金メダルを獲得した。清岡のメダル獲得確定で、今大会全16日間で日本選手団はメダルを獲得した。

 気迫あふれるレスリングで快進撃を続けてきた清岡が、大会最終日の決勝でもマットで躍動。22年世界王者の難敵を倒し、ノーシードから一気に頂点に駆け上がった。

 開始早々から攻める姿勢を見せた清岡は0―1の前半終了間際にタックルを決め背後を取り逆転。そして得意技の股に頭も潜り込ませてのローリングを圧巻の4回。一気に10ポイントを奪った。第2ピリオドも冷静に試合を支配し、10―3でタイムアップ。完勝で金メダルを決めた。歓喜のガッツポーズ後、チーム四国の先輩、日下らと熱い抱擁を交わし、スタンドで歓喜の涙を流していた幼なじみの桜井とも言葉を交わした。

 最高の結果を残した清岡は「本当に、ここまで支えてきてくださった自分に関わって、声を掛けてくださった皆さんに…本当にこの金メダルでは返し切れないと思うんですけど、本当にありがとうございましたという気持ちと、少しでもこういう結果で恩を返すことができたのかなと思います」とやり切った表情で語った。表彰台の一番高い所に上がり「掲げられた日の丸を見て、世界で一番美しい景色なのかなと思いました」と素直な思いを口にした23歳。幼なじみの桜井に続いて獲得した金メダルに「何としても勝たなければいけないという…試合前から(桜井が)先に試合をすることが決まっていたので、先に勝って俺にプレッシャーをかけてくれと、つぐみにも伝えましたし、それをいい方向に力に変えて試合に臨むことができた。本当にいい関係でここまで来られて、2人で金メダルを獲ることができたので、この後はメダルをもらって、高知県での、ずっと教えてくださってきた桜井先生だったり、自分の親に金メダルをかけてあげたいと思います」と柔らかな笑みを浮かべ語った。

 母親同士が同僚だった縁で、3歳で女子57キロ級代表の桜井つぐみの父・優史氏が立ち上げた高知クラブで競技を開始した清岡。その同学年の幼なじみとして高知でともに闘い続けてきた桜井が前日に金メダルを獲得した。金メダルの日下、桜井、そして曽我部の「チーム四国」とともに臨んだ初五輪。日本レスリング界が誇る「元気玉」が、仲間から、四国から、日本から、世界中から「気」と「パワー」をもらい、見事に金メダルをつかみ取った。

 ◇清岡 幸大郎(きよおか・こうたろう)2001年(平13)4月12日生まれ、高知県出身の23歳。高知南高、日体大を経て、今年4月から三恵海運所属。母親同士が同僚だった縁で、3歳で女子57キロ級代表の桜井つぐみの父・優史氏が立ち上げた高知クラブで競技を開始。小中学校時代から全国大会で結果を残し、昨年12月の全日本選手権準決勝で東京五輪王者の乙黒拓斗を6―6の内容差で破るなどして初優勝。今年4月のアジア最終予選でパリ五輪出場権を獲得した。

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