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【パリ振り返り】セーヌ川水質に非難の声相次ぐ 体調不良者が続出…大会最終日まで懸念払拭できず

スポニチアネックス 2024年8月12日 8時56分

 パリ五輪は11日(日本時間12日)、全日程を終えて閉幕する。100年ぶりにフランス・パリでの開催となった夏季五輪。26日(同27日)にセーヌ川での開会式で開幕し、17日間熱戦が繰り広げられた。一方で、誹謗中傷問題やセーヌ川の水質問題などさまざまな議論が巻き起こった。

 もともと、生活排水が流れ込むセーヌ川では1923年から遊泳が禁止となっていた。パリ市は五輪へ向けて約14億ユーロ(約2200億円)を投入して水質改善に取り組んだものの、米CBSの報道では、開幕1カ月前の6月の調査で大腸菌レベルが許容範囲の10倍との結果が出た。

 先月17日にはパリのイダルゴ市長が泳いで水質改善をアピールしたが、首から下は濁った水で見えないありさまだった。水質検査の基準が満たされたとして実施されたトライアスロンではレース後、各国選手に体調不良者が続出。開会式当日の7月26日に降った雨による水質悪化の影響もあり、セーヌ川での公式練習はトライアスロンとオープンウオーター(マラソンスイミング)を含め、5回の中止が発表された。また、トライアスロンは男子のレースが延期される事態となった。

 5日に開催されたトライアスロン混合リレーでは、女子選手が体調を崩したとしてベルギーが棄権。オープンウオーターでも、スウェーデン男子のビクトル・ヨハンソンが「大腸菌のレベルが改善されても出場する気がしない」として棄権した。

 セーヌ川の水質と選手の体調の関係は明らかになっていないが、ベルギーのトライアスロン女子選手、ヨリエン・フェルメイレンは「泳いでいる間に、あまり見たくないものを見たり、においがした」と発言。トライアスロン男子に出場したカナダ人選手、タイラー・ミスラウチュク(29)に関しては、ゴール後に両膝を当てて吐いている様子が国際映像で流された。米紙ニューヨーク・ポストは「ミスラウチュクは後に合計10回嘔吐したと語った」と報じ、ミスラウチュクは暑さの耐性が無かったこともあり、暑さが原因だったのではないかという内容も続けて報道された。

 このような事態を受け、インターネット上には「選手はエゴ五輪の犠牲」「事前に分かっていたはず」「まずIOC幹部が泳ぐべき」など非難の声が渦巻いた。

 また最終日の11日にはセーヌ川で行われたパリ五輪マラソンスイミングに出場した3選手が体調不良に陥ったとドイツオリンピック委員会が発表。最後まで水質に対する懸念は払拭できなかった。

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