◇第106回全国高校野球選手権大会第5日・1回戦 鳴門渦潮4―8早実(2024年8月11日 甲子園)
敗れても鳴門渦潮のエースで4番・岡田力樹(りゅうき)の表情は晴れやかだった。「せっかく甲子園に来たんだから、みんなで楽しもうと言っていた」。8回からは右足がつり、13安打を浴びながらも野球人生最多の185球で完投。大粒の汗を拭った。
昨秋、今春は徳島大会で初戦敗退。自分がチームを引っ張るべく練習に取り組んだ。ブルペンで100球の投げ込みを課し、スタミナ強化のため練習と練習の間の移動では駆け足を欠かさなかった。今夏は徳島大会5試合44イニングのうち43回1/3を1人で投げ、決勝では選抜8強の阿南光・吉岡暖(はる=3年)との投げ合いを制した。
大学でも野球を続ける予定だ。「できるなら、どっちも挑戦したい」。聖地での2安打2打点を糧に、投打二刀流の夢を描いた。 (石丸 泰士)
○…鳴門渦潮の岡田が185球で完投。夏の甲子園大会で個人投手の1試合185球以上は、16年の北海との2回戦で松山聖陵・アドゥワ誠(現広島)が187球で完投敗戦して以来8年ぶり。