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【甲子園】「皆勤15校」の一つ、大社が63年ぶり聖地勝利 今春準V報徳学園を撃破!!

スポニチアネックス 2024年8月12日 5時1分

 ◇第106回全国高校野球選手権大会第5日・1回戦  大社3―1報徳学園(2024年8月11日 甲子園)

 1回戦4試合が行われ、大社(島根)が1961年以来63年ぶりの白星を挙げた。第1回地方大会から出場を続ける「皆勤15校」の一つが、今春選抜準優勝の報徳学園(兵庫)を下す大金星。最速141キロ左腕の馬庭(まにわ)優太投手(3年)が7安打1失点完投で、今秋ドラフト1位候補の今朝丸裕喜投手(3年)に投げ勝った。島根勢と兵庫勢との通算4度目の対戦で初勝利。

 60年以上待ち焦がれた甲子園での勝利が、優勝候補を破る金星となった。大社の馬庭は、相手の先発メンバーを見て驚いた。「今朝丸投手が先発…?」。初戦は温存と予想した「世代No・1右腕」が出てきたことがうれしかった。「気持ちで投げました」。打線の研究は最低限にとどめ、真正面から挑んだ。

 今朝丸が7回途中で交代してもマウンドに立ち続けた。右脇腹をつった3―0の7回も、1死二、三塁のピンチで得点を与えなかった。9回に適時打を許して2点差。「“逆転の報徳”といわれている。つらい時間でした」。さらに2死一、二塁から遊撃へのゴロが内野安打に。しかし二塁走者の三塁オーバーランを見逃さずアウトにし、1失点完投だ。

 32年ぶりの出場ながら、選手全員で甲子園に来たことがある。今年3月に兵庫の強豪である明石商、社との練習試合が組まれていた。しかし降雨中止となったため、開催中だった選抜大会の観戦に切り替えた。そこでは、自分たちと同じく地元出身選手中心に戦う公立の阿南光(徳島)が健闘していた。その姿を目に焼き付け、「絶対に俺らもここに立とう」と誓い合った。

 春季大会に3回戦で敗退後、選手同士で話し合った。「甲子園出場が目標では、あそこに立てない。甲子園8強に目標を変えよう」。全国の強豪に勝つことを掲げてきた。だから報徳学園との対戦が決まった際、くじを引いた石原勇翔主将に選手たちは「いいところ引いたな」と笑った。

 前夜には、石飛文太監督が選手に伝えた。「歴史を変えるぞ」。1915年の第1回地方大会から出場し続ける皆勤校。長く続く歴史の中でも特別に光り輝く白星となった。 (河合 洋介)

 ○…大社が63年ぶりの夏1勝。選手権の地方大会に第1回から皆勤出場を続ける学校の勝利は09年の関西学院以来15年ぶり。

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