◇第106回全国高校野球選手権大会第5日・1回戦 鶴岡東2―1聖光学院(2024年8月11日 甲子園)
U18日本代表候補に選出されている鶴岡東のエース左腕・桜井椿稀(つばき=3年)は9安打1失点で完投勝ちを飾った。4番打者としても3回2死二、三塁から先制の決勝2点左前打を放ち、聖光学院との初戦から迎えた東北対決を勝利に導き「甲子園を楽しめました」と汗を拭った。
3回先頭の3球目には低め直球で捕手のミットのひもが切れるほど直球に切れがあった。スライダーやチェンジアップも織り交ぜて「低めに集めた結果です」。兄・瑞稀さん(21)の思いも背負っていた。兄が小諸商(長野)3年だった20年は、新型コロナの影響で夏の大会は中止となり、甲子園を目指すことすらできなかった。兄弟で憧れた場所で躍動し「全力で投げる姿を見せられて良かった」と語った。
夢も「プロ野球選手とプロの審判」の二刀流。今夏、一歩でも近づくため「次も強い相手だが楽しみながら投げたい」と名門・早実との2回戦へ向かう。(村井 樹)