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【甲子園】プロ注目エース広永の故障で背番号1背負った2年・山本「重圧は感じました」恩返しの白星ならず

スポニチアネックス 2024年8月12日 11時29分

 ◇第106回全国高校野球選手権大会第5日・2回戦 熊本工1―2広陵(2024年8月12日 甲子園)

 熊本工は2年生で「1」を付けた山本凌雅が129球の熱投で8回1/3を6安打2失点と好投し、先制適時打を放つ活躍も、逆転負けを喫して2019年以来の初戦突破はならなかった。熊本大会で背番号1を背負った最速146キロのプロ注目右腕、広永大道(だいち)投手(3年)が右肋骨骨折でベンチメンバーを外れる中、山本が奮闘したが、無念の敗戦となった。

 山本は0―0の5回2死三塁から中前へはじき返して先制点を挙げた。しかし、7回1死二、三塁から1番・浜本遥大に右前へ2点適時打を許して勝ち越しを許した。

 1点を追う9回は相手の失策と安打で無死一、二塁の好機を演出。犠打で1死二、三塁と一打サヨナラの場面をつくったが、最後は連続三振に倒れた。

 試合後、田島圭介監督は「想像以上に高尾君と只石君のバッテリーに試合をコントロールされて、非常に1点が遠かったです。高尾君のベストボールを打つのは難しいと選手には伝えていました。ただ、どうにかランナーに出て、ランナーと打者の共同作業で甘い球を捉えようと対策を練ったんですけど、なかなか塁に出ても簡単に送りバントもさせてもらえないようなそんな好バッテリーに脱帽ですね」と振り返った。

 9回は一打サヨナラの好機を演出したが、指揮官は「9回はサヨナラしかないのかなというところで、ノーアウトでランナー出まして浜口には今日当たっていましたので強行させたら彼の気迫でつないで見せ場をつくった。最後まで高尾君が9回にあのボールを投げられたら高校生としたらなかなか難しいのかなという感想です」と話した。

 好投した山本については「序盤から中盤に関しては山本も決して高尾君に引けを取らないいいピッチングをしてくれたと思います。県大会からエース(広永)が故障しまして、そこから山本本人も目の色変わったというか、戦う目になりましたので、夏の大会で1試合1試合成長してくれました。またこの甲子園球場でも大きな力をいただいて、山本もまだ2年ですのでこの光景を目に焼き付けておけよという話はしまして、また一つ成長してくれたかなと思います。(成長した部分は)夏の大会が始まる前はどこか控えめというか優しい子なんですけど、自分で投げきると言う気迫を全面的に出してくれて成長してくれました」と話した。

 山本は広永から「楽しめよ」と言われてマウンドに上がったが、恩返しの白星はならず。「1を背負わせてもらった。荷が重いじゃないですけど重圧は感じました。ネクストいるときも(ボールパーソンを務める広永が)声をかけてくれた。凄く頼りになりました。県大会から声をかけてくださった。ありがとうございましたと伝えたい」と感謝の言葉を口にした。

 長く高校野球の歴史を彩ってきた両校。広陵は2年連続25度目の出場。熊本工は3年ぶり23度目の出場。広島県と熊本県の高校は過去5度の対戦があるが、意外にもこの名門両校の対戦は初めてとなった。

 全国的なファンも多い両校は、大会で残してきた数字も似ている。広陵は夏の大会は通算35勝で最高成績は過去4度の準優勝。熊本工も30勝を挙げ、過去3度の準優勝が最高だ。

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