◇セ・リーグ 広島0―6DeNA（2024年8月13日 マツダ）
【佐々岡真司 視点】広島・小園への強い意識がDeNA・東の投球と表情に見て取れた。相手左腕にすれば、今季の対戦打率が7割を超える天敵。何を投げてもヒットになる、とりわけ変化球を拾われているイメージが凄くあったのだと思う。
この日は従来と配球を変え、全11球ストレートで押した。捕手・山本のサインに首を振ってでも真っすぐを投げていた。小園の打席に全集中し、絶対に抑えるんだ…という気持ちが、顔つきや力の入れように表れていた。
打線はいきなり4点劣勢の苦しい展開。打ってつないでいくしかない中で、石原は外のチェンジアップ、秋山が外のスライダーをヒットにした。恐らく方向性を出して打つよう指示があったと思う。東の投球がそれを上回った。力負けだった。
白熱した優勝争いの中で残り42試合。どんな投手が相手でも、ここからは、先発投手が試合をつくることが大事になる。東に付けた今季2つの黒星は、いずれも接戦に持ち込んで守り勝ち、競り勝ったもの。完敗でも1敗は1敗。切り替えて次戦に臨んでほしい。 （スポニチ本紙評論家）