Infoseek 楽天

【甲子園】智弁学園が「選抜優勝経験校対決」で健大高崎を下す 田近楓雅が1失点完投

スポニチアネックス 2024年8月15日 5時1分

 ◇第106回全国高校野球選手権大会第8日・2回戦 智弁学園2―1健大高崎(2024年8月14日 甲子園)

 2回戦4試合が行われ、智弁学園(奈良)は今春選抜王者の健大高崎(群馬)に2―1で競り勝った。エース左腕の田近楓雅(3年)が1失点完投し、「選抜優勝経験校」対決を制して2年連続で3回戦に駒を進めた。

 16年の選抜王者が、今春選抜王者に真っ向からぶつかった。智弁学園のエース左腕・田近楓雅は、多彩な変化球を織り交ぜて打者を手玉に取った。10三振を奪って1失点完投。109球目、最後の打者を空振り三振に斬ったのは、宝刀のチェンジアップだった。

 「チェンジアップは低めに決められる自信がある。ほとんど打たれたこともないので、あまり怖さとかは、なかった」

 中学1年時に指導者の勧めでチェンジアップを投げ始めると、それがぴったりとハマった。最初は縦に落ちるだけの変化だったが、今では打者の左右によって内外角に投げ分けるなど変幻自在に操れるようになった。「チェンジアップはほとんど完璧に近い。自分が持っている球種の中で一番、空振りを取れる球」。最も信頼する軸球となっている。

 強力打線相手に、先入観なしで臨んだ。それが田近のスタイル。「バッター関係なく、自分のピッチングを貫き通す」。その言葉通り、プロ注目捕手の4番・箱山遥人を4打数無安打に封じるなど要所を締めた。

 昨秋の近畿大会は初戦敗退し、今春奈良大会でも準々決勝敗退と勝ちきれず。小坂将商監督から「甲子園に行ける確率は5%やぞ」と厳しい言葉を浴びせられた。苦しい時期を乗り越えてきたからこそ、聖地での白星は格別。9回に決勝打を放った佐坂悠登は校歌斉唱で嬉し涙を流し「自分の中では日本一、練習してきた自信があるので絶対に負けるわけない」と胸を張った。

 「智弁プライド」で難敵を撃破。1―1で迎えた5回2死一、二塁で最速154キロ右腕・石垣元気を引きずり出し、9回には決勝点をもぎ取った。「ウチとしてもプライドがありますから。はよ出さして、やっぱり打ち崩したいっていう部分はあった」と小坂監督。夏の甲子園で繰り広げられた熱い「選抜優勝経験校対決」を制し、2年連続3回戦進出を果たした。 (山手 あかり)

この記事の関連ニュース