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【甲子園】進撃の「左腕王国」京都国際 2年生の西村一毅が138球で3安打完封

スポニチアネックス 2024年8月15日 5時1分

 ◇第106回全国高校野球選手権大会第8日・2回戦 京都国際4―0新潟産大付(2024年8月14日 甲子園)

 9回2死満塁のピンチを背負っても、京都国際の2年生左腕・西村一毅(いっき)は、冷静だった。最後は捕手のサインに首を振って、自信のある直球を選択。空振り三振で試合を締め、一塁側ベンチ前で投球練習していたエース左腕・中崎琉生の助けを借りずに完封勝利を達成した。

 「チームを勝たせられてよかった。相手の応援がすごかったので楽しかったです」

 屈指の“左腕王国”にまた一人、逸材が現れた。8日の1回戦・札幌日大(南北海道)戦は、中崎が3失点完投。その中崎の1学年上には広島・杉原とソフトバンク・長水、2学年上にはDeNA・森下と2年で3人のプロを輩出しており、全員が左投手だ。西村も森下に憧れて京都国際の門を叩いた一人だ。

 入学時は野手だったが、宮村貴大部長から抜群の身体能力と下半身の使い方のうまさを見込まれ、投手に転向した。順調に成長曲線を描くも、今春選抜はベンチ外。悔しさを糧に「ピンチでも冷静にいられる精神力、しっかりとコースに投げ切れる制球力」を磨いてきた。小牧憲継監督は「指先の感覚はDeNAの森下に近いものがあって言ったことはすぐできる」と評価。力みから3回までに4与四球。それでも5回1死まで無安打に抑える内容に「異様な雰囲気の中でもしっかり投げてくれた」と称えた。

 選抜覇者の健大高崎や、優勝候補の一角に挙がっていた大阪桐蔭が続けて敗れる波乱の一日。今春近畿王者として実力を示し、選抜敗退後の公式戦連勝を15に伸ばした。「先輩と一日でも長く野球ができるように」と西村。名前のようにイッキに頂点まで駆け上がる。 (石丸 泰士)

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