Infoseek 楽天

【甲子園】東海大相模・中村4安打!同校の2年生が甲子園で4安打は原辰徳以来49年ぶり

スポニチアネックス 2024年8月17日 5時1分

 ◇第106回全国高校野球選手権大会第10日・3回戦 東海大相模8-1広陵(2024年8月16日 甲子園)

 3回戦4試合が行われ、東海大相模(神奈川)が広陵(広島)を8―1で下し9年ぶりの8強進出を決めた。1点を追う3回、中村龍之介外野手(2年)が逆転の中前2点打を放つなど、4安打4打点の活躍。甲子園で同校の2年生が1試合4安打をマークするのは、75年夏の原辰徳以来49年ぶり2人目だった。

 原貢監督とスーパー1年生・原辰徳の「父子鷹」が、聖地に登場してから50年。後に巨人で「若大将」と呼ばれたレジェンドに、肩を並べた。75年夏の準々決勝・上尾(埼玉)戦で、原が放って以来の同校2年生の1試合4安打。同じ3番で達成した中村は、逆転勝利に興奮するナインを横目に「走者を還す仕事をやっただけ。自分の仕事をやりきれた」と涼しい顔で言ってのけた。

 全国から有力選手が集まる名門。相模原市の学校まで車で約15分の座間市出身の中村は、チームで「天才」と呼ばれる。「バットコントロールには自信がある」と初回に左前打し、1点を追う3回1死満塁では決勝打となる中前逆転2点打。5打数4安打4打点をマークして12安打8得点の打線を引っ張り「絶対に打つ気持ちで打席に入っている。たまたま4安打になった」と振り返った。

 最も大きかった一打は5回1死二、三塁からの中前2点適時打。この回から救援登板した、最速148キロのドラフト候補右腕・高尾響(3年)から放った。3球目の低めのワンバウンドしそうなフォークを、右手一本で捉えた。データ班が高尾のフォークはワンバウンドが少なく、低めも届くと分析。中村も自主練習でワンバウンドも含む「悪球打ち」に取り組み、ミート力を磨いていた。さらに生きたのは小学校低学年時代の母との特訓。元ソフトボール選手の母・梢さん(44)が、2メートルの距離から投げるピンポン球を応援用の細いバットで何度も打っていた。鍛えられた動体視力とバットコントロール。7安打などで5点を奪い、わずか1回2/3で高尾をKOする原動力になった。

 2試合で9打数6安打、打率・667の2年生に「中村が打つとチームが乗る。いい働きをしている」と原俊介監督。8強入りは全国制覇した15年以来となった。当時小2で「自分も縦じまのユニホームを着て優勝したい」と憧れた中村。夢の頂点へあと3勝だ。(柳内 遼平)

 ◇中村 龍之介(なかむら・りゅうのすけ)2007年(平19)9月13日生まれ、神奈川県座間市出身の16歳。小1から県央少年野球クラブで野球を始め、座間南中時代は湘南ボーイズに所属。東海大相模では1年夏からベンチ入り。50メートル走6秒2、遠投100メートル。高校通算11本塁打。1メートル84、78キロ。左投げ左打ち。

 ▽東海大相模・原辰徳の甲子園 1年の74年夏から3年春を除き4度出場。1年夏は準々決勝で定岡(元巨人)擁する鹿児島実に延長15回の末に敗れた。2年から3番を務め、75年の選抜決勝の高知戦で本塁打を放つも、延長13回で敗れ準優勝。金属バット導入2年目の同年夏は準々決勝で上尾(埼玉)に4―5で敗退も、4安打2打点をマークした。3年夏は2回戦で小山(栃木)に敗戦。通算12試合で52打数20安打10打点、打率・385。20安打中7安打が長打(本塁打1、三塁打3、二塁打3)だった。

この記事の関連ニュース