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【甲子園】広陵の夏終わる 今秋ドラフト候補、最速148キロ右腕の高尾響「悔いなく終われた」

スポニチアネックス 2024年8月17日 5時1分

 ◇第106回全国高校野球選手権大会第10日・3回戦 広陵1―8東海大相模(2024年8月16日 甲子園)

 3回戦4試合が行われ、広陵(広島)は、東海大相模(神奈川)に敗れ、今秋ドラフト候補に挙がる最速148キロ右腕の高尾響(3年)が3回戦で姿を消した。

 招かれるかのように聖地に立ち続けてきた広陵・高尾の夏が終わった。9度目の甲子園登板で初救援。1―2の5回1死三塁で2番手を任された。先頭から3連打を浴びて3点を失い、6回は3者連続の二塁打を含む4連打を許して計5失点。甲子園全試合で7イニング以上を投じてきた中、最後は1回2/3で交代した。「自分の中では悔いなく終われた」。悔し涙を流さず、顔を上げたまま聖地を去った。

 広島大会では4試合19イニングで1失点。好成績とは裏腹に「(投球)フォームがバラバラ」と不安を抱いて臨んだ最後の甲子園だった。最速139キロ止まりと球が走らず、変化球もことごとく拾われた。救援起用について中井哲之監督が「(先発した)山口の方が調子が良かった」と説明したように、甲子園春夏通算5勝を挙げた本来の姿ではなかった。

 中井監督が「記憶にない」と明かす1年春から背番号1を担った絶対的エース。最後の夏本番を前に不調に陥ると、同監督から伝えられた。「響、三振取らんでもええけ。勝てる投手が一番いい投手なんじゃけ」。そして迎えた初戦の熊本工(熊本)戦で9回1失点完投勝利。聖地に愛された投手は、甲子園に立つと再び輝いた。

 指揮官が求めるエース像を「気配りができる人」と理解し、実践してきた。入学当初は登板中に不服そうな態度を取れば「響の姿をみんなが見とるんじゃけ」と怒られた。最後の甲子園では、降板後も一塁ベンチから声を張って諦めず、名門エースの姿勢を示した。

 「自分で負けたら仕方ないと皆が思ってくれている。1番は大事な背番号です」。今後の進路は「社会人かプロ」と言及し、今秋にプロ志望届を提出する見込み。これからも広陵のエースとしての誇りを持って投げ続ける。 (河合 洋介)

 ▼広陵・中井哲之監督(高尾について)1年生から1番を背負って苦労してきた。誰にも1番を譲らず、最後まで守ったのは立派。この悔しさをどう生かすのか続けて見守っていきたいです。

 ◇高尾 響(たかお・ひびき)2006年(平18)5月22日生まれ、福岡県粕屋町出身の18歳。粕屋東中では飯塚ボーイズに所属して投手兼二塁手。広陵では1年春の中国大会から背番号1を背負い、2年春から4季連続で甲子園出場。50メートル走6秒3、遠投120メートル。1メートル72、73キロ。右投げ右打ち。

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