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【筑後鷹】前田純 “勝負の夏場”を乗り越える 先輩左腕・大関からの助言生かし結果出す

スポニチアネックス 2024年8月20日 5時3分

 ソフトバンクの前田純投手(24)が防御率1・59でウエスタン・リーグのトップを快走している。7月に念願の支配下昇格を果たして背番号51を手にした。次は1軍で先発機会をつかみ、勝利を挙げる日を思い描いている。最近の試合では苦しんでいるが“勝負の夏場”に結果を出すべく試行錯誤しながら懸命に取り組んでいる。

 前田純は1メートル89の長身から投げ下ろす角度あるボールが武器の左腕だ。プロ2年目の今季はウエスタン・リーグ5月度の「スカパー!ファーム月間MVP賞」に輝くなどファームで大活躍。念願がかない、7月24日に支配下選手に昇格した。

 タマスタ筑後で調整していた1軍投手陣のもとにあいさつに行くと、有原らに祝福のグータッチを交わしてもらった。「“やっとソフトバンクの一員になれたんだ”と実感しました」と充実した表情を浮かべた。

 オフに同じ左腕のレジェンド・和田のもとで自主トレを行い飛躍につなげた。「肩とかの無駄な力を抜いて体幹部分で投げることを教えてもらい、キャッチボールから意識して取り組みました」。これまでよりも力まずに強い球が投げられるようになった。

 だが、夏場に入り苦しんでいる。今季ここまで7勝3敗、防御率1・59の好成績をマークしているが、支配下に昇格して以降の2試合では黒星を喫している。ここからが本当の勝負どころなのは分かっている。再び状態を上げて結果を残さなければ、1軍昇格は見えてこない

 疲れが出てくる時期とはいえ、「ここでムラを出さないようにしないといけない。波をなくさないといけない」と自分に言い聞かせている。試行錯誤を続ける中で先輩左腕・大関に助言を仰いだ。これまでは100%に近い状態でブルペン調整の日を迎えていたが、試合当日に向けて上げていき、本番をベストな状態で迎えられるように意識を変えた。

 14日のウエスタン・リーグ中日戦(タマスタ筑後)では初回に3点を失いながらも、2~6回までは修正して無失点に抑えた。立ち上がりの反省を口にしながらも「球質的には良くなっていた」と前を向く。

 1軍のマウンドに立ち、白星を挙げる日を思い描きながら、背番号51が“勝負の夏”を乗り越えていく。(木下 大一)

 ◇前田 純(まえだ・じゅん)2000年(平12)6月4日生まれの24歳。建設会社勤務の父親の影響でシンガポールで生まれる。3歳から小学3年まで千葉県浦安市、小学4年から沖縄市で育つ。高原小で競技開始。中部商を経て日本文理大から22年育成ドラフト10位でソフトバンク入団。兄は社会人・日本通運の右腕・前田敬太投手。1メートル89、85キロ。左投げ左打ち。

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