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【甲子園】松坂大輔氏 一発呼んだ関東第一・高橋の「相手にプレッシャーを掛ける守備」

スポニチアネックス 2024年8月20日 5時3分

 ◇第106回全国高校野球選手権第12日・準々決勝 関東第一2―1東海大相模(2024年8月19日 甲子園)

 【平成の怪物が行く 松坂大輔の探求】終盤まで締まったゲームになった準々決勝第1試合。レベルの高い守備力が印象に残りました。どちらが勝つか分からないゲームで勝敗を分けるのは守備力。それは低反発バットの導入前から変わらないと思います。

 ヒットになりそうな際どい打球をアウトにする。その数をいかに増やせるか。際どい打球が抜けていれば、もう少し点が入り違う試合展開になったかもしれません。関東第一の高橋徹平主将(3年)が「守備側も攻める」と話した通り、守備のプレッシャーをお互いに掛け合ったゲームだったと思います。

 ポイントとなったのは6回の守備です。無死一塁から三塁前へのバントを三塁手の高橋主将が素早く処理して併殺にしました。「自分のとこへ来たら二塁で刺す」という意識で相手にプレッシャーを掛ける守備でした。あの守備があったからこそ、続く7回の打席だったと感じます。

 7回、先頭打者は4番の高橋主将。東海大相模にすれば嫌な流れです。より警戒を強めていかないといけない場面の初球。東海大相模の木村海達捕手(3年)もいろいろ考えながらあの初球を選んだと思いますが、バッテリーの考えを高橋主将が上回った。内寄りに甘く入った変化球。長打になる可能性が高いボールで、そのちょっとした隙を高橋主将は見逃さず、決勝本塁打という最高の結果を生み出しました。

 優勝した98年の夏。自分たちは打力がありましたが、守備にも自信を持っていました。エラーは1回戦の柳ケ浦戦の一つだけだったと記憶しています。「夏は打てないと勝てない」と言われますが、関東第一は守備力で勝ちきりました。低反発バットでより緻密な野球の重要性が高まり、守備力で勝つ試合が増えるのではないでしょうか。(スポニチ本紙評論家)

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