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野村謙二郎氏 「0点」を「5点」に変えた広島・小園の押し出し四球 フォークをしっかり見極めていた

スポニチアネックス 2024年8月21日 5時45分

 ◇セ・リーグ 広島8―3巨人(2024年8月20日 東京D)

 【野村謙二郎 視点】4回2死満塁から小園の選んだ押し出し四球が勝利を呼んだ。

 超積極的な打者で、低めフォークを初球から2球連続の空振り。追い込まれてから高めのつり球を挟み、4球目のフォークまでは打者としても読みやすい。並行カウントからの5球目。直前のフォーク見逃しで「次は直球かも」と読みがちなところで冷静に続いたフォークを我慢した。

 フルカウントになって6球目は内角149キロをファウル。もうこの時点では「前へ飛ばすこと」よりも「ボールになるフォークをどう見極めるか」に意識を向けていたと思う。7球目、山崎伊の側に立てば完全なボールにはしたくない。同じフォークでも腕の振りが少し鈍り、しっかり見極めることができた。

 高卒6年目でレギュラーに定着し、4番を任された時期もあった。とんでもない悪球を振ったり、たくさんの失敗や経験を重ねた末の成長を感じた。無死満塁の絶好機から秋山、野間が連続三振。仮に無得点に終わっていたら巨人に流れがいきかねない分岐点だった。小園の四球があったから、末包と坂倉の連打も生まれた。「0点」を「5点」に変えた素晴らしい四球だった。 (スポニチ本紙評論家)

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