◇セ・リーグ 阪神8―3ヤクルト(2024年8月20日 京セラD)
【広澤克実 視点】阪神は8回の4得点が非常に大きかったと思う。もし、その4点がなくても試合はそのまま4―0で勝利していたかもしれないが、中野、佐藤輝、そして大山にも2本目の適時打が出た。梅野も打って好機を演出した。そこまでの得点シーンでは近本の出塁と、満塁機での木浪の勝負強さが際立っていたが、打者はほぼ全員が加わることができた。
投手が抑えて僅差のゲームを取っていくのも、もちろん大事なことに違いない。しかし首位を5ゲーム差で追いかける阪神にいま必要なのは、チームの勢い。そのためには打線の爆発が不可欠だ。9回に3点を反撃され、この試合に勝つという意味で大きかっただけではなく、今後のペナントレースを戦う上でも、弾みのつく大きな1イニングになるかもしれない。
シーズンが終わった時、この試合の8回の9人攻撃が「ゲームチェンジ」となっていることを願う。 (スポニチ本紙評論家)