将棋の藤井聡太王位(22)=王将を含む7冠=に渡辺明九段(40)が挑む第65期王位戦7番勝負は20日、佐賀県唐津市の旅館「洋々閣」で第4局2日目が指し継がれ、後手藤井が100手で勝利した。対戦成績を3勝1敗とし、5期目の獲得へ王手をかけた。
「お互いの王形が異なる。距離感をつかむのが難しい将棋だった」。43手目の封じ手、渡辺が記録した2時間37分の自己最長考。それをはね返して、2日目は藤井が攻め続けた。一日を通して読みに穴がなかった証で、その充実度を示した。
同時に20年度の第61期以来、連続5期による永世王位の資格獲得へも王手をかけた。藤井が今期獲得すれば7月の自身初の永世称号、永世棋聖に続く2つ目で、7月19日に22歳の誕生日を迎えたばかりだがダブル永世の栄誉に輝くことになる。
第5局は27、28日、神戸市「中の坊瑞苑」で指される。(筒崎 嘉一)